神戸市立中央市民病院における勧告実施前後におけるバンコマイシン点滴静注処方の変化

緒言 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)は多くのβ-ラクタム薬剤に対して耐性を示すが, バンコマイシン(VCM)低感受性MRSA(VISA)が1996年, 世界ではじめて日本で分離された1). Vancomycin-resistant Enterococcus(VRE)も1996年, 日本で分離されている2, 3). これら耐性菌の定着, 感染に対する危険因子はVCMへの暴露であることから3), VCMの適正使用が強く求められている. 今回, 著者らは, 神戸市の中心に位置する3次医療施設である神戸市...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2005/12/10, Vol.31(12), pp.1019-1026
Hauptverfasser: 奥貞, 智, 中浴, 伸二, 山本, 健児, 喜田, 勝也, 片岡, 和三郎, 永井, 謙一, 春田, 恒和, 閔, 庚善, 小野坂, 敏見, 梅澤, 智佐江
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)は多くのβ-ラクタム薬剤に対して耐性を示すが, バンコマイシン(VCM)低感受性MRSA(VISA)が1996年, 世界ではじめて日本で分離された1). Vancomycin-resistant Enterococcus(VRE)も1996年, 日本で分離されている2, 3). これら耐性菌の定着, 感染に対する危険因子はVCMへの暴露であることから3), VCMの適正使用が強く求められている. 今回, 著者らは, 神戸市の中心に位置する3次医療施設である神戸市立中央市民病院において, VCM使用の実態を把握し, VCMの適正使用を促進しMRSA感染症を効果的に管理するためのシステムの構築を目的として本調査を行った. なお, 神戸市立中央市民病院においては, これまで抗生物質の使用に関して特別な制約を設けておらず, VCM使用実態調査を実施したことはない. 方法 神戸市立中央市民病院は912床, 22診療科を有する高度先端医療にも取り組む神戸市の基幹病院である. まず, 2001年5月からVCM点滴静注を処方されたすべての患者のデータを収集した(勧告前:100例).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.31.1019