がん化学療法の調剤業務支援のためのプロトコールデータベースの構築と運用
がん化学療法は, 新薬の開発や併用療法, 支持療法の発展により治療成績が著しく向上し, 患者の生存率やQOLの向上をもたらしている1-3). 一方で, 近年抗癌剤の過剰投与等の医療過誤が相次いで生じ大きな社会問題となっており, 安全な薬物療法が行える環境を整備することが病院薬剤師にとって急務となっている. しかしながら, がん化学療法の治療形態は一般に多剤併用療法で, かつ投与プロトコールも複雑であるため, 日進月歩のがん化学療法のすべてに精通することは困難である. その中で現在, 各医療施設でがん化学療法の医療過誤を防止すべくさまざまな取り組みが行われてきている4-8). 当院薬剤部において...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2005/07/10, Vol.31(7), pp.575-584 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | がん化学療法は, 新薬の開発や併用療法, 支持療法の発展により治療成績が著しく向上し, 患者の生存率やQOLの向上をもたらしている1-3). 一方で, 近年抗癌剤の過剰投与等の医療過誤が相次いで生じ大きな社会問題となっており, 安全な薬物療法が行える環境を整備することが病院薬剤師にとって急務となっている. しかしながら, がん化学療法の治療形態は一般に多剤併用療法で, かつ投与プロトコールも複雑であるため, 日進月歩のがん化学療法のすべてに精通することは困難である. その中で現在, 各医療施設でがん化学療法の医療過誤を防止すべくさまざまな取り組みが行われてきている4-8). 当院薬剤部においても, 抗癌剤の混合調製業務は平成8年5月から第二内科を対象に開始し, 平成11年4月にはICU, 無菌部を除く全診療科を対象に展開している. がん化学療法のプロトコールは非常に種類が多い上に, 同一の薬剤においてもがんの種類やプロトコールにより投与量が大きく異なるなど複雑である. そのため, プロトコールの確認に多くの時間が費やされ, 調剤および処方鑑査には豊富な知識と経験年数が必要不可欠となる. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.31.575 |