卵巣癌carboplatin/paclitaxel療法に対する科学的根拠に基づいたクリニカル・パスの作成
緒言 近年, クリニカルパス(以下, パスと略す)は外科的疾患を対象に医療現場に急速に普及してきた. 外科的疾患のみならず, 多くの医療スタッフが関与し, リスクの高い集学的治療が行われる癌治療においてパスを積極的に導入することは有益であると考えられる. しかし, バリアンスが多く発生する化学療法においては, 抗癌薬の投与スケジュールを記載した薬剤師用のシートは存在するが, 医療チームが共用できる長期間のパスはいまだに少ない. 癌化学療法の治療効果や効率的な副作用のモニタリングを行うためには化学療法や支持療法の妥当性を科学的根拠に基づいて評価したうえでパスを作成する必要がある. 日本での卵巣癌...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2004/06/10, Vol.30(6), pp.394-400 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 近年, クリニカルパス(以下, パスと略す)は外科的疾患を対象に医療現場に急速に普及してきた. 外科的疾患のみならず, 多くの医療スタッフが関与し, リスクの高い集学的治療が行われる癌治療においてパスを積極的に導入することは有益であると考えられる. しかし, バリアンスが多く発生する化学療法においては, 抗癌薬の投与スケジュールを記載した薬剤師用のシートは存在するが, 医療チームが共用できる長期間のパスはいまだに少ない. 癌化学療法の治療効果や効率的な副作用のモニタリングを行うためには化学療法や支持療法の妥当性を科学的根拠に基づいて評価したうえでパスを作成する必要がある. 日本での卵巣癌による死亡者数, 死亡率はともに増加傾向で, 死亡者数, 死亡率(人口10万対)は, それぞれ1990年で3,279人, 5.2%, 1999年で4076人, 6.4%である1). 1980年代にcisplatin(CDDP)が導入され, cyclophosphamide/adriamycin/cisplatin(CPA/ADM/CDDP, CAP)の有用性が証明され2), 以後これを基本に併用化学療法が工夫された. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.30.394 |