ゲフィチニブにより皮膚病変を来たした一例

緒言 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR)阻害剤であるゲフィチニブ(イレッサ(R))は, EGFRからのシグナル伝達を阻害することにより抗腫瘍作用を有する従来にない新しいタイプの薬剤であり, 手術不能または再発非小細胞肺癌を適応症として, わが国において世界で初めて承認された1-3). また本剤の主な副作用には, 発疹, 掻痒症, 皮膚乾燥などの皮膚障害や下痢が報告されている1-4). 脳腫瘍において, EGFRをコードする遺伝子が高レベルで発現し, 増幅, 欠損および再配列が高頻度に見出されており, 頻度や悪性度が最も高いグリオーマの最大50%で, このような変化が認められている5...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療薬学 2004/05/10, Vol.30(5), pp.330-334
Hauptverfasser: 前田, 美希代, 石川, 和宏, 藤井, 正純, 若林, 俊彦, 吉田, 純, 鍋島, 俊隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR)阻害剤であるゲフィチニブ(イレッサ(R))は, EGFRからのシグナル伝達を阻害することにより抗腫瘍作用を有する従来にない新しいタイプの薬剤であり, 手術不能または再発非小細胞肺癌を適応症として, わが国において世界で初めて承認された1-3). また本剤の主な副作用には, 発疹, 掻痒症, 皮膚乾燥などの皮膚障害や下痢が報告されている1-4). 脳腫瘍において, EGFRをコードする遺伝子が高レベルで発現し, 増幅, 欠損および再配列が高頻度に見出されており, 頻度や悪性度が最も高いグリオーマの最大50%で, このような変化が認められている5). また, EGFR発現は, 脳腫瘍の悪性度および予後と相関することが報告されている6). そこでわれわれは, 既存の治療が無効となった再発性悪性グリオーマの患者に対して, ゲフィチニブによるEGFRを標的とした分子標的治療法を実施したところ, その有効性が確認された(石川ら:未投稿データ).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.330