疑義照会支援システムの構築と運用: リスクマネジメントへの活用

緒言 医療技術の高度, 複雑化に伴い, 現代の医療の内包するリスクは極めて高い. 医療現場におけるミスの過半数は, 薬が関与するものである. 薬剤師は, 率先して医療におけるミスを軽減し安全な医療を提供する役割を担っている. 中でも, 処方監査は, 薬剤師職能の中で最も重要かつ根幹をなす業務である. 旭川医科大学附属病院薬剤部(以下, 当院薬剤部と略す)においても, 医師の処方意図を明らかにする的確な疑義照会を徹底して行うように努めている. 一方, 処方せん上に疑義があるケースでも, 理由があって医師が処方している場合もある. 当院薬剤部では疑義照会の記録を残していなかったため, 過去に照会を...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2004/03/10, Vol.30(3), pp.191-197
Hauptverfasser: 小野, 尚志, 大滝, 康一, 粟屋, 敏雄, 渡辺, 博文, 原, 千恵子, 高橋, 賢尚, 小川, 聡, 小枝, 正吉, 板垣, 祐一, 早勢, 伸正, 藤田, 育志, 松原, 和夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 医療技術の高度, 複雑化に伴い, 現代の医療の内包するリスクは極めて高い. 医療現場におけるミスの過半数は, 薬が関与するものである. 薬剤師は, 率先して医療におけるミスを軽減し安全な医療を提供する役割を担っている. 中でも, 処方監査は, 薬剤師職能の中で最も重要かつ根幹をなす業務である. 旭川医科大学附属病院薬剤部(以下, 当院薬剤部と略す)においても, 医師の処方意図を明らかにする的確な疑義照会を徹底して行うように努めている. 一方, 処方せん上に疑義があるケースでも, 理由があって医師が処方している場合もある. 当院薬剤部では疑義照会の記録を残していなかったため, 過去に照会を行って解決されている処方であっても, 異なる薬剤師が処方監査を行って再び照会するということがしばしば生じていた. このような重複照会は, 時間的に無駄であるばかりか, 処方医との信頼関係を損なうことにもなりかねない. そこで, 2000年7月から, 疑義のあった処方せんをコピーして診療科ごとにファイルし, 過去の照会履歴の閲覧を可能とした.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.191