塩酸オキシブチニン膀胱内注入療法における長期臨床使用成績調査: 難治性尿失禁患者のQOLを改善した院内製剤
緒言 神経因性膀胱は, 下部尿路の支配神経系統の障害によって生じる排尿異常であり, 頻尿, 尿失禁や残尿などを伴う疾患である. その原因は, 二分脊椎, 外傷性脊椎損傷, 脳血管障害および脳腫瘍などの先天性あるいは後天性神経疾患などさまざまである. 尿失禁や頻尿に対する保存的治療では, 主に抗コリン剤などの頻尿改善剤の経口投与が行われているが, 必ずしも有効でなく, 口渇, 便秘や差明感などの全身的な抗コリン作用による有害事象のために, 投与量を制限せざるを得ない場合がある. 一方, 間歇自己導尿法が確立されてから尿路管理は飛躍的に進歩してきたが, 間歇導尿を施行しても尿失禁を認める難治例も存...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 医療薬学 2004/02/10, Vol.30(2), pp.83-87 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 緒言 神経因性膀胱は, 下部尿路の支配神経系統の障害によって生じる排尿異常であり, 頻尿, 尿失禁や残尿などを伴う疾患である. その原因は, 二分脊椎, 外傷性脊椎損傷, 脳血管障害および脳腫瘍などの先天性あるいは後天性神経疾患などさまざまである. 尿失禁や頻尿に対する保存的治療では, 主に抗コリン剤などの頻尿改善剤の経口投与が行われているが, 必ずしも有効でなく, 口渇, 便秘や差明感などの全身的な抗コリン作用による有害事象のために, 投与量を制限せざるを得ない場合がある. 一方, 間歇自己導尿法が確立されてから尿路管理は飛躍的に進歩してきたが, 間歇導尿を施行しても尿失禁を認める難治例も存在し, 社会生活を営む上で患者のquality of life(QOL)の大きな障害となっている, そのため, 頻尿改善剤の全身的な有害事象を軽減させ, 膀胱平滑筋への直接作用を期待して膀胱内に薬物を直接注入する方法が試みられるようになってきた1). 塩酸オキシブチニン(OB)の膀胱内注入療法は1989年にBrendlerら2)が報告して以来, 比較的多くの報告がなされている3-8). |
---|---|
ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.30.83 |