コウジ酸軟膏の院内処方に際しての基礎的検討: 溶出性および皮膚透過性・浸透性の検討
緒言 コウジ酸は味噌, 醤油の醸造の際に用いられるコウジから分離, 同定されたpyrone系化合物の一種であり1), そもそも醸造工場で働く人の手が白いことからわが国においてはじめて開発, 研究された物質である2). 人表皮細胞のmelanin合成を抑制する物質であることが知られており3), その抑制作用はtyrosinaseのCu2+イオンをキレート化することで活性を抑制することが報告されている4). コウジ酸の軟膏製剤は肝斑(chloasma), 褐色斑等の色素沈着症に有効であることが知られており1), レーザー治療の発達した現在でも多くの医療機関で院内処方化され治療に使われている5)....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 医療薬学 2004/01/10, Vol.30(1), pp.20-26 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 緒言 コウジ酸は味噌, 醤油の醸造の際に用いられるコウジから分離, 同定されたpyrone系化合物の一種であり1), そもそも醸造工場で働く人の手が白いことからわが国においてはじめて開発, 研究された物質である2). 人表皮細胞のmelanin合成を抑制する物質であることが知られており3), その抑制作用はtyrosinaseのCu2+イオンをキレート化することで活性を抑制することが報告されている4). コウジ酸の軟膏製剤は肝斑(chloasma), 褐色斑等の色素沈着症に有効であることが知られており1), レーザー治療の発達した現在でも多くの医療機関で院内処方化され治療に使われている5). 薬物の経皮吸収は, その主薬の物理化学的性質(分子量, 親水, 疎水バランス等)が第一の因子であることは間違いないが, 基剤の選択によっても大きな影響を受ける. しかし, コウジ酸軟膏を含め多くの場合, 基礎的な製剤検討を行わず各施設で独自の処方がなされているのが現状である. 本研究は, 製剤としてのコウジ酸軟膏の処方を決定するにあたり, 基礎的製剤学試験を行い, より効果の高い処方を検討することを目的とするものである. |
---|---|
ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.30.20 |