検出菌頻度と感受性を活用した初期治療における抗菌剤使用指針の作成

緒言 感染症の原因菌およびその感受性の検査結果が得られるまでの抗菌剤の選択は, 経験によることが多く, 科学性に乏しいことが少なくない. さらに, MRSAの院内感染に代表されるように, 無秩序な抗菌剤使用による医原病も社会的に指摘されている. そこで, 近況の感染部位からの検体を8つに分類し, 各部位の検出菌の頻度およびその抗菌剤感受性を用いて阻止率を算出した. これらの結果と薬剤特性を考慮して, 各感染部位における『抗菌剤使用指針』の作成を試みた. 方法 平成12年4月から9月まで, 当院の細菌検査室に出された検体をA~Hの感染部位に分類し(表1), 検出菌の件数およびそれらの抗菌剤感受性...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2003/08/10, Vol.29(4), pp.523-531
Hauptverfasser: 斎藤, 友彦, 渡来, 和宏, 邑田, 京子, 勝田, 栄男, 水野, 恵司, 伊藤, 久美子, 中山, 幸子, 川村, 健児, 藤塚, 光慶
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 感染症の原因菌およびその感受性の検査結果が得られるまでの抗菌剤の選択は, 経験によることが多く, 科学性に乏しいことが少なくない. さらに, MRSAの院内感染に代表されるように, 無秩序な抗菌剤使用による医原病も社会的に指摘されている. そこで, 近況の感染部位からの検体を8つに分類し, 各部位の検出菌の頻度およびその抗菌剤感受性を用いて阻止率を算出した. これらの結果と薬剤特性を考慮して, 各感染部位における『抗菌剤使用指針』の作成を試みた. 方法 平成12年4月から9月まで, 当院の細菌検査室に出された検体をA~Hの感染部位に分類し(表1), 検出菌の件数およびそれらの抗菌剤感受性を調査した. 各種抗菌剤の感受性率は, すべての検体から分類された菌の感受性試験件数で試験結果S(Susceptible)の件数を除して算出した. 一方, 適応菌種の有無に関わらず, 感受性を有する菌種に対し, 感受性試験を行っていない抗菌剤の感受性成績については, NCCLS(米国臨床検査標準委員会)1)に準じた同系統および類似薬の成績, あるいは文献上の感受性成績を参考にして類似薬の成績を引用した.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.29.523