中和剤を用いた改良最小殺菌濃度測定法による消毒薬耐性黄色ブドウ球菌の消毒薬感受性の評価

緒言 近年, 感染率の高い病原性細菌による感染症よりも, 宿主側の要因による易感染性患者の院内感染や日和見感染が急増している, さらに, 高齢化社会に伴う在宅医療の急速な展開から, 医療施設外における細菌汚染の危険性が懸念されている. 細菌感染を防止する上で消毒薬は最も一般的で有用なツールである. そのため, 消毒薬の抗菌力や抗菌スペクトルを把握することは感染制御において非常に重要である. しかし, 消毒薬はその種類により化学的性質が異なるだけでなく, 手指, 皮膚, 粘膜あるいは医療器具などの消毒対象により, 使用濃度や消毒時間が大きく異なっている. そのため, 日本では消毒薬の殺菌効果の測...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療薬学 2003/06/10, Vol.29(3), pp.279-286
Hauptverfasser: 成井, 浩二, 野口, 雅久, 笹津, 備規
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 近年, 感染率の高い病原性細菌による感染症よりも, 宿主側の要因による易感染性患者の院内感染や日和見感染が急増している, さらに, 高齢化社会に伴う在宅医療の急速な展開から, 医療施設外における細菌汚染の危険性が懸念されている. 細菌感染を防止する上で消毒薬は最も一般的で有用なツールである. そのため, 消毒薬の抗菌力や抗菌スペクトルを把握することは感染制御において非常に重要である. しかし, 消毒薬はその種類により化学的性質が異なるだけでなく, 手指, 皮膚, 粘膜あるいは医療器具などの消毒対象により, 使用濃度や消毒時間が大きく異なっている. そのため, 日本では消毒薬の殺菌効果の測定法が未だ標準化されておらず1,2), 抗菌薬と同様に, 最小発育阻止濃度(MIC)か, 最小殺菌濃度(MBC)を測定し, 殺菌効果を評価している. これらの方法は, 薬剤を培地に入れ, 被検菌株を接種し, 通常24時間後の発育で判定する. しかし, 消毒薬は有機物(培地)と反応して消毒効果が減弱することが知られている3).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.29.279