医薬品市販後に追加される重大な副作用の現状
「序論」医薬品を安全に使用するためには, 正確かつ速やかに副作用情報を収集伝達しなければならない1). 過去の薬害事件, 例えば, サリドマイド, キノホルム, クロロキン, ソリブジンのいずれもが, 副作用情報の収集伝達過程になんらかの問題があり, それにより被害の拡大を招いたことが指摘されている2). これらの反省から, 1979年の薬事法改正では, 厚生大臣が危害発生拡大を防止するため, 承認取り消しや不良医薬品の廃棄回収を命じることを新たに規定し, また, 1997年7月には"医薬品等安全性情報制度"が発足するなど, 法的整備が進められてきている3). 一方, 19...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2002/12/10, Vol.28(6), pp.571-575 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「序論」医薬品を安全に使用するためには, 正確かつ速やかに副作用情報を収集伝達しなければならない1). 過去の薬害事件, 例えば, サリドマイド, キノホルム, クロロキン, ソリブジンのいずれもが, 副作用情報の収集伝達過程になんらかの問題があり, それにより被害の拡大を招いたことが指摘されている2). これらの反省から, 1979年の薬事法改正では, 厚生大臣が危害発生拡大を防止するため, 承認取り消しや不良医薬品の廃棄回収を命じることを新たに規定し, また, 1997年7月には"医薬品等安全性情報制度"が発足するなど, 法的整備が進められてきている3). 一方, 1995年に施行された製造物責任法は医薬品の欠陥として適正使用に必要な情報の不備を強く示唆し4), さらに, 1997年施行の薬剤師法25条の2は, 薬剤師は調剤した薬剤の情報を患者に提供する義務を規定した. そのため, 調剤の現場では, 最新の副作用情報を服薬指導に反映させるために, 常に指導内容の更新に力が注がれている. しかしながら, これまでの法的整備あるいは薬剤師による新規副作用の収集伝達指導の繰り返しは, 少なからず副作用症例が出てからの対応であることは否めない. そのため, 副作用被害を最小限に抑えるためには, 副作用の予測と予防の研究が必須である. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.28.571 |