血清アルブミン上のジアゼパム結合サイトにおける薬物相互作用の解析法: ELISAによるグリチルレチン酸測定法を応用したスクリーニング法
「緒言」医療現場においては, 日常的に多種多様な薬剤が繁用され, 併用されている. これらの併用によって起こる薬物相互作用は, 糖尿病用薬では低血糖の危険性や抗凝血薬では出血傾向の増加など重大な副作用に結びつくため, 重要視されている. 薬物の血漿蛋白結合は, 薬物相互作用, 薬物の体内動態あるいは薬効に影響を与える因子として知られ, 特に, 薬物と血漿蛋白の結合が強固な場合には(Ka>105M-1), 臨床的に薬物相互作用を起こすことがあると指摘されている1,2). しかし, 近年, これらの相互作用の主な原因は代謝や排泄阻害など非結合型薬物に対する固有クリアランスの減少に起因すること...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2002/04/10, Vol.28(2), pp.101-107 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」医療現場においては, 日常的に多種多様な薬剤が繁用され, 併用されている. これらの併用によって起こる薬物相互作用は, 糖尿病用薬では低血糖の危険性や抗凝血薬では出血傾向の増加など重大な副作用に結びつくため, 重要視されている. 薬物の血漿蛋白結合は, 薬物相互作用, 薬物の体内動態あるいは薬効に影響を与える因子として知られ, 特に, 薬物と血漿蛋白の結合が強固な場合には(Ka>105M-1), 臨床的に薬物相互作用を起こすことがあると指摘されている1,2). しかし, 近年, これらの相互作用の主な原因は代謝や排泄阻害など非結合型薬物に対する固有クリアランスの減少に起因することが示され, 血漿蛋白結合の薬物相互作用への関与が見直されてきた3-5). しかしながら, HSA上には, 薬物が結合する多くの薬物結合サイト6-11)があり, 血漿蛋白結合による薬物相互作用を解明するためには, HSA上の薬物結合サイトの違いを含めた詳細な検討が必要である. 一方, われわれは, GAが主にHSA上のジアゼパムサイトに結合することを, また, ジアゼパムサイトに結合するGAがibuprofenにより競合的に置換され, その量をELISAにより定量できることを示した12). そこで, 本研究では, ある薬物により競合的に置換され, 遊離したGAをELISAにより定量できる上記方法を応用して, その薬物がジアゼパムサイトに結合するか否かの検討を行い, ジアゼパムサイトの結合薬物のスクリーニング法を確立した. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.28.101 |