脳動脈瘤の治療 Paraclinoid Aneurysmに対する治療戦略

「要約」 Paraclinoid aneurysmは, 周囲に重要な神経や血管が存在しているため, 他部位の脳動脈瘤と比較して開頭手術の難度が高い. 近年, 血管内手術の進歩によって治療適応が拡大し, 良好な治療成績が報告されるようになったが, 現在でも, 動脈瘤の病態や大きさによっては一筋縄ではいかない症例も存在する. 東邦大学医療センター大森病院(当院)では症例ごとに最も適した治療を行うように心がけており, 専門的な知識やさまざまな手技を駆使している. 今回われわれは, 一般的な治療法では根治困難であったparaclinoid aneurysm症例を経験したため, 当院での治療戦略と合わせ...

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Veröffentlicht in:東邦医学会雑誌 2015-06, Vol.62 (2), p.98-100
Hauptverfasser: 近藤康介, 内野圭, 小此木信一, 寺園明, 野手康宏, 安藤俊平, 福島大輔, 桝田博之, 野本淳, 原田直幸, 根元匡章, 周郷延雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」 Paraclinoid aneurysmは, 周囲に重要な神経や血管が存在しているため, 他部位の脳動脈瘤と比較して開頭手術の難度が高い. 近年, 血管内手術の進歩によって治療適応が拡大し, 良好な治療成績が報告されるようになったが, 現在でも, 動脈瘤の病態や大きさによっては一筋縄ではいかない症例も存在する. 東邦大学医療センター大森病院(当院)では症例ごとに最も適した治療を行うように心がけており, 専門的な知識やさまざまな手技を駆使している. 今回われわれは, 一般的な治療法では根治困難であったparaclinoid aneurysm症例を経験したため, 当院での治療戦略と合わせて報告する. Paraclinoid aneurysmとは, 内頸動脈硬膜貫通部から後交通動脈分岐部までに発生した動脈瘤を総称したものである. 頭蓋底部に位置し, 周囲に重要な神経や血管が存在することから, 直達手術の際には難度が高いとされる.
ISSN:0040-8670