脳幹梗塞に起因した難治性吃逆に芍薬甘草湯が奏功した2症例
要約:脳幹梗塞に起因した難治性吃逆に芍薬甘草湯が奏効した2症例を経験した. 2症例とも延髄外側に脳梗塞があり, 眩暈, 嘔吐, 病側の顔面感覚障害と反対側の頸部以下の温痛覚障害, 病側の小脳失調等を認め, Wallenberg症候群を呈していた. 症例1は55歳, 男性. 右延髄の脳梗塞後に5日間以上持続する難治性吃逆を認めた. 息こらえや咽頭刺激, chlorpromazineの内服で治療を行ったが軽快しなかった. 芍薬甘草湯7.5g/日を投与したところ, 速やかに吃逆は消失した. 症例2は47歳, 男性. 左延髄の脳梗塞後に難治性吃逆を併発した. 咽頭刺激やmetoclopramide・c...
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Veröffentlicht in: | 東邦医学会雑誌 2012-05, Vol.59 (3), p.133-137 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要約:脳幹梗塞に起因した難治性吃逆に芍薬甘草湯が奏効した2症例を経験した. 2症例とも延髄外側に脳梗塞があり, 眩暈, 嘔吐, 病側の顔面感覚障害と反対側の頸部以下の温痛覚障害, 病側の小脳失調等を認め, Wallenberg症候群を呈していた. 症例1は55歳, 男性. 右延髄の脳梗塞後に5日間以上持続する難治性吃逆を認めた. 息こらえや咽頭刺激, chlorpromazineの内服で治療を行ったが軽快しなかった. 芍薬甘草湯7.5g/日を投与したところ, 速やかに吃逆は消失した. 症例2は47歳, 男性. 左延髄の脳梗塞後に難治性吃逆を併発した. 咽頭刺激やmetoclopramide・chlorpromazine投与で一時的に消失するも, 断続的な吃逆を認めた. 芍薬甘草湯7.5g/日を投与したところ, 吃逆は改善し, さらにchlorpromazineを追加することで完全に消失した. 芍薬甘草湯は, 副作用が少なく即効性の期待できる中枢性吃逆の治療薬の1つとして考慮されるべき漢方薬であると考えられた. |
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ISSN: | 0040-8670 |