SARS-CoV-2遺伝子検査におけるRT-LAMP法とリアルタイムRT-PCR法の比較
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)が2019年末に初めて確認され,世界的な感染拡大(パンデミック)を引き起こすなかで,本症を正確かつ迅速に診断する検査法が開発されてきた.Reverse transcriptase loop-mediated isothermal amplification(RT-LAMP)法は,cDNAを鋳型とし,鎖置換ポリメラーゼ反応を利用して一定温度で標的遺伝子を増幅する遺伝子検査法で,1時間以内にSARS-CoV-2ウイルスを検出することが可能である.本研究では,SARS-CoV-2 遺伝子検査において,RT-LAMP と従来のリアルタ...
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Veröffentlicht in: | 天理医学紀要 2022/12/25, Vol.25(2), pp.121-125 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)が2019年末に初めて確認され,世界的な感染拡大(パンデミック)を引き起こすなかで,本症を正確かつ迅速に診断する検査法が開発されてきた.Reverse transcriptase loop-mediated isothermal amplification(RT-LAMP)法は,cDNAを鋳型とし,鎖置換ポリメラーゼ反応を利用して一定温度で標的遺伝子を増幅する遺伝子検査法で,1時間以内にSARS-CoV-2ウイルスを検出することが可能である.本研究では,SARS-CoV-2 遺伝子検査において,RT-LAMP と従来のリアルタイム RT-PCR を比較した.まず,SARS-CoV-2 N遺伝子合成RNAの10倍希釈系列を作製しRT-LAMPとリアルタイムRT-PCRの測定感度を比較したところ,前者は102倍希釈,後者は103倍希釈まで検出可能であった.次に,RT-LAMP陽性であった鼻咽頭ぬぐい液検体から12検体を無作為に抽出した.これらの検体の精製核酸から10倍希釈系列を作製し,RT-LAMPとリルタイムRT-PCRで測定したところ,両者の陽性一致率は97%であった。リアルタイムRT-PCRのcycle threshold(Ct)値と,RT-LAMPのthreshold time(Tt)値を比較すると,両者は正の相関を示し(r = 0.89, P < 0.001),Ct値が37サイクル以下の検体では,RT-LAMPで検出可能であった.Ct値29–40サイクル,Tt値11–20分の間では,Ct値 = 1.1 × Tt値 + 17の近似式を適用することができた.一方,Ct値40サイクルに対応するTt値は20分55秒と算出されるので,RT-LAMPでTt値がこれを超えた場合は,陽性の判定には注意を要すると考えられた. |
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ISSN: | 1344-1817 2187-2244 |
DOI: | 10.12936/tenrikiyo.25-022 |