ウサギ抗ヒト胸腺細胞グロブリンによる免疫抑制療法を施行した最重症再生不良性貧血の1例
症例は8歳女児.主訴は発熱と紫斑.白血球数1,300/μl(好中球分葉核4.0%,好中球桿状核3.5%,リンパ球90.0%,単球1.0%,好酸球1.5%),血小板数2,000/μl,赤血球数363×104/μl,網状赤血球数1.09×104/μl,ヘモグロビン値10.1 g/dlであった.肝炎やファンコニー貧血を疑わせる臨床所見はなく,最重症の特発性再生不良性貧血と診断した.患児には同胞がいなかったため,ウサギ抗ヒト胸腺細胞グロブリン(ATG)とシクロスポリンを併用する免疫抑制療法を施行した.皮膚と眼球結膜に副作用が出現したが,メチルプレドニゾロンで対応した.好中球数,血小板数,ヘモグロビン値...
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Veröffentlicht in: | 天理医学紀要 2012/12/25, Vol.15(1), pp.62-66 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 症例は8歳女児.主訴は発熱と紫斑.白血球数1,300/μl(好中球分葉核4.0%,好中球桿状核3.5%,リンパ球90.0%,単球1.0%,好酸球1.5%),血小板数2,000/μl,赤血球数363×104/μl,網状赤血球数1.09×104/μl,ヘモグロビン値10.1 g/dlであった.肝炎やファンコニー貧血を疑わせる臨床所見はなく,最重症の特発性再生不良性貧血と診断した.患児には同胞がいなかったため,ウサギ抗ヒト胸腺細胞グロブリン(ATG)とシクロスポリンを併用する免疫抑制療法を施行した.皮膚と眼球結膜に副作用が出現したが,メチルプレドニゾロンで対応した.好中球数,血小板数,ヘモグロビン値は,3か月後に部分寛解,6か月後に完全寛解の基準を満たした.なおリンパ球数は,500/μl以上となるのに5か月以上を要した.ウマATG製剤が製造中止となったが,ウサギATGを第1選択として使用する症例はまだ少なく,ウサギATGに残されている問題点を克服する上で参考となる貴重な症例である. |
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ISSN: | 1344-1817 2187-2244 |
DOI: | 10.12936/tenrikiyo.15.62 |