全経腸栄養施行患者に対して調査用紙を用いたNSTの介入における効果(第25回日本静脈経腸栄養学会2010. 2. 25. 千葉)
目的:当院NSTでは2008年6月より, 薬剤師・栄養士を中心に院内経腸栄養施行全患者の栄養状況把握に努めている. 新規経腸栄養施行患者を薬剤師と栄養士で2週間毎に抽出し, 各病棟リンクナースに調査用紙の記入を依頼しているが, 調査用紙の記入不備が問題となっていた. リンクナースに対して月1回, 情報伝達と教育を兼ねてリンクナース会議を行っているが2009年1月より, その教育部分を受動的な講義型から能動的な参加型に変更した. この効果が調査用紙記入やNST介入にどのように影響したかを, 今回検討したので報告する. 方法:経腸栄養施行症例384例を対象に, 2008年6月から12月までの7か月...
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Veröffentlicht in: | 天理医学紀要 2010, Vol.13 (1), p.114-114 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:当院NSTでは2008年6月より, 薬剤師・栄養士を中心に院内経腸栄養施行全患者の栄養状況把握に努めている. 新規経腸栄養施行患者を薬剤師と栄養士で2週間毎に抽出し, 各病棟リンクナースに調査用紙の記入を依頼しているが, 調査用紙の記入不備が問題となっていた. リンクナースに対して月1回, 情報伝達と教育を兼ねてリンクナース会議を行っているが2009年1月より, その教育部分を受動的な講義型から能動的な参加型に変更した. この効果が調査用紙記入やNST介入にどのように影響したかを, 今回検討したので報告する. 方法:経腸栄養施行症例384例を対象に, 2008年6月から12月までの7か月をA群, 2009年1月から7月までの7か月をB群とし, 経腸栄養施行患者調査用紙の記載内容と, NSTの介入内容について比較検討を行った. 結果:NSTが介入必要を判定した件数は, A群56例, B群31例であった. 主な介入内容は, 栄養補給経路についてA群16%, B群26%, 栄養補給量についてA群28.6%, B群22%, 経腸栄養剤の使用方法(白湯混合)についてA群14%, B群19%, 下痢対策についてA群5%, B群10%, 栄養剤の種類の検討A群5%, B群6%であった. また, 調査用紙の記載内容については, 記載率が62.5%から72.3%に増加した. 考察:勉強会を受動的な講義型からリンクナースによる症例発表を行う能動的な参加型に変更した事で, 看護師の栄養管理に対する関心・理解が高まり, 特に必要栄養量の把握といった栄養評価の面でのレベルアップが見られた. このことが, 調査用紙記載率の上昇・記載内容の改善につながると同時に, NSTの介入以前に, 病棟でリンクナースが判断し提言することで, 正しい栄養管理を行えるようになり, 介入率減少につながったと考える. 一方, NSTは調査用紙から患者の情報を得て栄養状態を判断しているため, 調査用紙記載率が上昇・改善したことで正しいアセスメントを行えるようになったこと, 情報収集のための"介入"が減ったことが介入率減少の一因となったと考える. 調査用紙の記載率の低い項目に対しては今後, 勉強会などを通じて栄養評価を行ううえでの必要性を啓蒙していくことで更なる改善が見込まれる. |
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ISSN: | 1344-1817 |