臓器移植: 腎臓移植の歩み

(これは, 2009年6月26日当医学研究所の研究発表会で園田名誉教授が行われた特別講演を, 医学研究所で編集したものである. )「はじめに」本日は, 臓器移植の歴史を始めとして現在までの臓器移植の動きや現状を, 私が日本で腎臓移植を始めた時の状態がどのような様子だったかなど, 特に腎臓移植の歩みを中心として述べる. 臓器移植の歴史(表1, 2) 臓器移植の歴史を顧みると, 移植の一つである輸血が安全に行われるようになったのは, ヒトの赤血球にタイプがあることがわかってからである. それは1900年, 今から110年前のことである. 1902年, オーストリアのUlmannは, イヌとヒツジを...

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Veröffentlicht in:天理医学紀要 2010/12/25, Vol.13(1), pp.1-26
1. Verfasser: 園田, 孝夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(これは, 2009年6月26日当医学研究所の研究発表会で園田名誉教授が行われた特別講演を, 医学研究所で編集したものである. )「はじめに」本日は, 臓器移植の歴史を始めとして現在までの臓器移植の動きや現状を, 私が日本で腎臓移植を始めた時の状態がどのような様子だったかなど, 特に腎臓移植の歩みを中心として述べる. 臓器移植の歴史(表1, 2) 臓器移植の歴史を顧みると, 移植の一つである輸血が安全に行われるようになったのは, ヒトの赤血球にタイプがあることがわかってからである. それは1900年, 今から110年前のことである. 1902年, オーストリアのUlmannは, イヌとヒツジを使って, 自家・異所性腎臓移植の実験を行った. 自家移植とは自分の臓器を自分の体の中へ移植することであり, 異所性とは元あった場所とは異なる場所に移植することである. この実験で, 移植された腎臓は体の中で場所を変えても機能することを明らかにした.
ISSN:1344-1817
2187-2244
DOI:10.12936/tenrikiyo.13-001