ランダム化比較試験のコンピュータシミュレーション(第46回日本癌治療学会2008.11.1. 名古屋)
目的:もしランダム化比較試験(RCT)を正確にシミュレート(SIM)する数学モデルがあれば, 多数の患者と長年月を要するRCTの結果が瞬時に再現でき, 計りしれない利益がある. ところが, Boagモデルと競合リスクモデルを, 癌研の60年に及ぶ胃癌追跡データに適用すれば, 5年追跡の時点で全生涯に及ぶ生存曲線が予測可能であることがわかった. そこでACTS-GCの補助化療に準じたRCTのSIMを試みた. 方法:上記モデルを使用, 更に化療がBoagのパラメータ値を色々変えると仮定, その上で乱数によるランダムな変動を加えて各群の全生存曲線を反復再現し, ハザード比(HR), ログランク値(L...
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Veröffentlicht in: | 天理医学紀要 2009, Vol.12 (1), p.91-92 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:もしランダム化比較試験(RCT)を正確にシミュレート(SIM)する数学モデルがあれば, 多数の患者と長年月を要するRCTの結果が瞬時に再現でき, 計りしれない利益がある. ところが, Boagモデルと競合リスクモデルを, 癌研の60年に及ぶ胃癌追跡データに適用すれば, 5年追跡の時点で全生涯に及ぶ生存曲線が予測可能であることがわかった. そこでACTS-GCの補助化療に準じたRCTのSIMを試みた. 方法:上記モデルを使用, 更に化療がBoagのパラメータ値を色々変えると仮定, その上で乱数によるランダムな変動を加えて各群の全生存曲線を反復再現し, ハザード比(HR), ログランク値(LR), 平均余命(MS)を治療群間で比較した. 結果:化療が全治率のみ向上, 死亡時間分布は不変の場合(近似的比例ハザードモデル), HRもMSも早期から妥当な有意差を示した. ところが化療が延命効果しかない場合(加速死亡モデル)MSの増加がわずかにも拘わらず, 追跡早期のHR(LR)の有意差は異常に大で, 後になる程減少した. 総括:早期の中間解析は延命化療を過大に評価する恐れがある. SIMにより長期結果を予測してRCTを計画することが肝要である. |
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ISSN: | 1344-1817 |