審査腹腔鏡にて診断し,腹腔鏡下切除した仙骨前面巨大後腹膜神経鞘腫の1例

症例は38歳女性,左臀部痛を主訴に当院を受診.造影CT・MRIで腰椎L5・仙骨前面に小腸・腸間膜と近接する7cmの表面平滑な腫瘤を認めた.小腸GISTが疑われたが確定診断には至らず,診断・治療目的に腹腔鏡手術を施行する方針とした.審査腹腔鏡にて小腸に病変はなく,大動脈分岐部仙骨前面後腹膜に腫瘤を認め後腹膜腫瘍と診断した.画像検査で周囲に浸潤はなく,術中所見でも表面平滑で可動性があり,腹腔鏡下に切除を行う方針とした.S状結腸間膜を切開し下腹神経前筋膜を温存,腫瘍を周囲から剥離し切除した.合併症なく自宅退院,病理診断は良性神経鞘腫で再発なく経過している.仙骨前面後腹膜神経鞘腫は稀であり,術前に確定...

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Veröffentlicht in:山口医学 2022/02/22, Vol.71(1), pp.37-44
Hauptverfasser: 小佐々, 貴博, 的場, 勝弘, 中津, 宏基, 北澤, 荘平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は38歳女性,左臀部痛を主訴に当院を受診.造影CT・MRIで腰椎L5・仙骨前面に小腸・腸間膜と近接する7cmの表面平滑な腫瘤を認めた.小腸GISTが疑われたが確定診断には至らず,診断・治療目的に腹腔鏡手術を施行する方針とした.審査腹腔鏡にて小腸に病変はなく,大動脈分岐部仙骨前面後腹膜に腫瘤を認め後腹膜腫瘍と診断した.画像検査で周囲に浸潤はなく,術中所見でも表面平滑で可動性があり,腹腔鏡下に切除を行う方針とした.S状結腸間膜を切開し下腹神経前筋膜を温存,腫瘍を周囲から剥離し切除した.合併症なく自宅退院,病理診断は良性神経鞘腫で再発なく経過している.仙骨前面後腹膜神経鞘腫は稀であり,術前に確定診断に至らない場合もある.本症例は審査腹腔鏡が局在診断に有用であり,一期的に切除が可能であった.腹腔鏡下切除した仙骨前面巨大後腹膜神経鞘腫の1例を経験し,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.71.37