開腹胃瘻造設術を行ったLeigh脳症患者の全身麻酔の1例

Leigh脳症に対する開腹による胃瘻造設術の全身麻酔を経験した.症例は33歳男性,2歳5ヵ月でLeigh脳症と診断され,4歳で気管切開術を受け,人工呼吸管理を継続して,自宅療養していた.経鼻胃管を留置する際に肺を損傷し,気胸が発症したため,総合病院救急部で胸腔ドレナージの治療を受けた後に当院の集中治療室に入室し,全身管理を行った.気胸発症後に併発した肺炎が治癒し,ドレーン管理が終了した後に,経皮内視鏡的胃瘻造設術が試みられたが,高度食道狭窄のため全身麻酔下に開腹胃瘻造設術へ計画が変更された.麻酔はプロポフォールとレミフェンタニルのみによる全身麻酔を行い,吸入麻酔薬および筋弛緩薬は用いなかった....

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Veröffentlicht in:山口医学 2018/09/10, Vol.67(3), pp.155-159
Hauptverfasser: 福田, 志朗, 三宅, 奈苗, 又吉, 宏昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Leigh脳症に対する開腹による胃瘻造設術の全身麻酔を経験した.症例は33歳男性,2歳5ヵ月でLeigh脳症と診断され,4歳で気管切開術を受け,人工呼吸管理を継続して,自宅療養していた.経鼻胃管を留置する際に肺を損傷し,気胸が発症したため,総合病院救急部で胸腔ドレナージの治療を受けた後に当院の集中治療室に入室し,全身管理を行った.気胸発症後に併発した肺炎が治癒し,ドレーン管理が終了した後に,経皮内視鏡的胃瘻造設術が試みられたが,高度食道狭窄のため全身麻酔下に開腹胃瘻造設術へ計画が変更された.麻酔はプロポフォールとレミフェンタニルのみによる全身麻酔を行い,吸入麻酔薬および筋弛緩薬は用いなかった.術中の輸液は重炭酸リンゲル液のみ用いた.術後は集中治療室で人工呼吸管理を継続して経過観察を行い,明らかな合併症なく術翌日に一般病棟へ帰室した.Leigh脳症患者の全身麻酔には,可能であれば揮発性吸入麻酔薬の使用を避け,輸液製剤は重炭酸リンゲル液を選択すべきであると考えられた.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.67.155