食道癌術後再建胃管に発生した早期胃癌の1例
食道癌根治手術後に発見された再建胃管癌の1例を経験した.症例は73歳,男性.10年前より慢性腎不全にて血液透析を継続中であったが,3年前に食道癌にて右開胸開腹胸部食道亜全摘術,胸骨後経路による頚部食道吻合術が施行された.2012年9月定期的内視鏡検査で胃管の胃体中部後壁にⅡc病変が認められた.生検では印環型細胞癌と診断されEndoscopic Mucosal Resection(以下EMR)の適応外病変と判断された.胃管切除手術を勧めたが本人が拒否したためテガクール・ウラシル配合剤(以下UFT)の内服を開始した.その後3ヵ月毎の内視鏡検査,6ヵ月毎のPET/CTを施行して経過を追った.2013...
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Veröffentlicht in: | 山口医学 2015/05/01, Vol.64(2), pp.121-127 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 食道癌根治手術後に発見された再建胃管癌の1例を経験した.症例は73歳,男性.10年前より慢性腎不全にて血液透析を継続中であったが,3年前に食道癌にて右開胸開腹胸部食道亜全摘術,胸骨後経路による頚部食道吻合術が施行された.2012年9月定期的内視鏡検査で胃管の胃体中部後壁にⅡc病変が認められた.生検では印環型細胞癌と診断されEndoscopic Mucosal Resection(以下EMR)の適応外病変と判断された.胃管切除手術を勧めたが本人が拒否したためテガクール・ウラシル配合剤(以下UFT)の内服を開始した.その後3ヵ月毎の内視鏡検査,6ヵ月毎のPET/CTを施行して経過を追った.2013年6月のPETで右肺門部リンパ節の異常集積を認めたためUFT内服に加えCPT-11を2コースのみ(2週毎点滴投与)投与した.UFT投与後約2年経過する現在,患者は健在であり,2014年7月の内視鏡ではⅡc病変は縮小し生検で癌細胞は検出されなくなり化学療法が奏効している.胃管癌の予後は一般に不良とされているが早期発見による長期生存例の報告も多くみられる.食道切除後の6ヵ月毎の定期的な内視鏡検査が病変の早期発見に不可欠である.また,胃管内の早期胃癌に対してUFTの内服は安全性,有用性の点から選択肢の一つと成り得るものと考える. |
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ISSN: | 0513-1731 1880-4462 |
DOI: | 10.2342/ymj.64.121 |