皮膚浸潤をきたした乳腺腺様嚢胞癌の1例
乳腺腺様嚢胞癌は乳癌全体の約0.1%と稀であり,リンパ節転移や遠隔転移は非常に少なく,予後は局所治療のみで良好である.今回,皮膚浸潤を伴う局所進展が高度な乳腺腺様嚢胞癌の1例を経験したので報告する.症例は58歳,女性.左乳房C領域に圧痛を伴う7×5cmの腫瘤を触知して当院を受診した.皮膚の発赤を認め,腫瘍は皮膚に固定されていた.マンモグラフィでカテゴリー4,超音波検査では辺縁不整,境界不明瞭,内部エコー不均一な腫瘤を認めた.針生検を行い,腺様嚢胞癌が疑われた.胸筋温存乳房切除術,LevelⅠ腋窩リンパ節郭清を行った.ホルモン受容体はER(-),PgR(-),HER2(-)であり,リンパ節転移は...
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Veröffentlicht in: | 山口医学 2014/02/01, Vol.63(1), pp.43-47 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳腺腺様嚢胞癌は乳癌全体の約0.1%と稀であり,リンパ節転移や遠隔転移は非常に少なく,予後は局所治療のみで良好である.今回,皮膚浸潤を伴う局所進展が高度な乳腺腺様嚢胞癌の1例を経験したので報告する.症例は58歳,女性.左乳房C領域に圧痛を伴う7×5cmの腫瘤を触知して当院を受診した.皮膚の発赤を認め,腫瘍は皮膚に固定されていた.マンモグラフィでカテゴリー4,超音波検査では辺縁不整,境界不明瞭,内部エコー不均一な腫瘤を認めた.針生検を行い,腺様嚢胞癌が疑われた.胸筋温存乳房切除術,LevelⅠ腋窩リンパ節郭清を行った.ホルモン受容体はER(-),PgR(-),HER2(-)であり,リンパ節転移は認めなかった.術後は補助療法を行わず経過観察のみを行い,7年経過したが,再発・転移は認めていない.本疾患は局所進展の程度に関わらず,局所治療が適切に行われれば良好な予後が期待できると考えられた. |
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ISSN: | 0513-1731 1880-4462 |
DOI: | 10.2342/ymj.63.43 |