Crohn病の経過中に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)から非代償性肝硬変へと進展した一例
「和文抄録」症例は31歳の女性. 18歳時にCrohn病と診断され, 当科での治療を開始された. 経腸栄養療法や5-ASA製剤, ステロイドや抗TNFα抗体製剤等の内科的治療を行うも効果不十分であり, 消化管合併症の悪化から24歳時に回腸部分切除術, 26歳時に回盲部切除術, 28歳時に回腸および上行結腸切除術を施行し, 残存小腸は約280cmとなった. その後も症状は安定せず, 成分栄養剤による経腸栄養療法を勧めるも患者の理解が得られず, 長期の絶食および中心静脈栄養を施行していた. 31歳時頃より, 見当識障害および活動性低下が認められたため当科入院となった. 腹部骨盤単純CT検査上, 肝...
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Veröffentlicht in: | 山口医学 2013-02, Vol.62 (1), p.33-37 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「和文抄録」症例は31歳の女性. 18歳時にCrohn病と診断され, 当科での治療を開始された. 経腸栄養療法や5-ASA製剤, ステロイドや抗TNFα抗体製剤等の内科的治療を行うも効果不十分であり, 消化管合併症の悪化から24歳時に回腸部分切除術, 26歳時に回盲部切除術, 28歳時に回腸および上行結腸切除術を施行し, 残存小腸は約280cmとなった. その後も症状は安定せず, 成分栄養剤による経腸栄養療法を勧めるも患者の理解が得られず, 長期の絶食および中心静脈栄養を施行していた. 31歳時頃より, 見当識障害および活動性低下が認められたため当科入院となった. 腹部骨盤単純CT検査上, 肝萎縮を伴う肝硬変の状態と考えられ, 血液生化学検査にて著明な肝機能障害およびアンモニア値の上昇を認めたため, 非代償性肝硬変症による肝性脳症と診断された. 血液検査上HBVおよびHCV感染は否定され, 飲酒歴もなく, 以前より脂肪肝が認められ, 肝胆道系酵素の上昇も認められていたことから, 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)による非代償性肝硬変と診断した. |
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ISSN: | 0513-1731 |