熱ショック転写因子HSF1は, ATF3を発現誘導することでIL-6の発現を抑制する

すべての生物に存在する外的環境変化に対する基本的な適応機構の一つが熱ショック応答である. 熱ショック応答により産生される熱ショックタンパク質群(HSPs)は, 熱ショック転写因子(HSF: Heat Shock transcription Factor 1)によって主に転写のレベルで制御される. 熱ショック転写因子群は, HSPsの誘導のみでなく, 個体発生, 老化, さらにはタンパク質の恒常性維持に関与している. 今回, 発熱レベルの温熱ストレスがHSF1を介して炎症性サイトカイン産生を抑制することを明らかにし, その分子機構を解明した. 温熱ストレスは, LPS誘導性のIL-6産生を著しく...

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1. Verfasser: 瀧井良祐
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:すべての生物に存在する外的環境変化に対する基本的な適応機構の一つが熱ショック応答である. 熱ショック応答により産生される熱ショックタンパク質群(HSPs)は, 熱ショック転写因子(HSF: Heat Shock transcription Factor 1)によって主に転写のレベルで制御される. 熱ショック転写因子群は, HSPsの誘導のみでなく, 個体発生, 老化, さらにはタンパク質の恒常性維持に関与している. 今回, 発熱レベルの温熱ストレスがHSF1を介して炎症性サイトカイン産生を抑制することを明らかにし, その分子機構を解明した. 温熱ストレスは, LPS誘導性のIL-6産生を著しく抑制するが, HSF1依存的なATF3の発現によりIL-6の転写が抑制される. この現象は, 個体レベルにおいても確認され, HSF1-ATF3の経路が, 過剰な炎症性反応を抑制する主要な経路であることを示唆している.
ISSN:0513-1731