2. 陰核肥大症に対する陰核知覚に配慮した陰核形成術

陰核肥大症は21α水酸化酵素欠損症をはじめとする副腎皮質過形成などのアンドロゲン過剰常態によって生じ, 女児でありながら男児のような外性器を呈する. 陰核亀頭に分布する陰核背神経を温存すべく陰核海綿体12時付近の筋膜を帯状に温存し陰核海綿体を切除する術式が本疾患に対するgold standardである. しかし陰核亀頭に分布する神経は陰核海綿体周囲を囲むように広く分布していることが判明し従来の12時付近の組織の温存だけでは大部分の神経を切断してしまう可能性が高い. 我々は陰核包皮をdeglovingした後, 陰核6時より筋膜を切開し12時方向に向かい筋膜全体を温存する術式を考案した. なるべく...

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Veröffentlicht in:山口医学 2010, Vol.59 (5/6), p.255-255
Hauptverfasser: 白石晃司, 松山豪泰
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:陰核肥大症は21α水酸化酵素欠損症をはじめとする副腎皮質過形成などのアンドロゲン過剰常態によって生じ, 女児でありながら男児のような外性器を呈する. 陰核亀頭に分布する陰核背神経を温存すべく陰核海綿体12時付近の筋膜を帯状に温存し陰核海綿体を切除する術式が本疾患に対するgold standardである. しかし陰核亀頭に分布する神経は陰核海綿体周囲を囲むように広く分布していることが判明し従来の12時付近の組織の温存だけでは大部分の神経を切断してしまう可能性が高い. 我々は陰核包皮をdeglovingした後, 陰核6時より筋膜を切開し12時方向に向かい筋膜全体を温存する術式を考案した. なるべく多くの神経線維を温存することにより将来的な陰核の知覚鈍磨を予防できるものと考えている. 筋膜がbulkyに残ったとしても陰核海綿体の十分な切除と背側の余剰包皮による小陰唇形成により美容的に問題になることはない. 本術式の有効性の検証には女性の性機能に関する評価が必要であり長期間を必要とするが, 手技的にも美容的にも従来の方法と大差はなく陰核形成術において広く適応されうる術式と考えられる.
ISSN:0513-1731