一般演題 NO.4 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の3年後に追加手術を要した早期胃癌の二例

症例1は, 70歳代男性. 2病巣の早期胃癌に対してESDを行い, 双方とも分化型粘膜癌の局所完全切除であった. その後, 2年間は生検で腫瘍陰性であったが, 3年2ヵ月目に胃前庭部大わんのESD部に約2cmほどの発赤調扁平隆起を認め, 生検にてGroupIIIであった. 癌再発と考え外科的切除を追加したが, 最終診断は腺腫であった. 症例2は, 50歳代男性. 胃角部前壁の境界不明瞭な早期胃癌病巣にESDを行い, 分化型粘膜内癌ながら, 一方の側方断端が癌陽性であった. このため, 局所治療の追加を念頭に経過観察を行っていたが, その後2年間は生検にて癌陰性であった. しかし, 治療3年目の...

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Veröffentlicht in:山口医学 2009, Vol.58 (6), p.276-276
Hauptverfasser: 南創太, 柳井秀雄, 林秀知, 古谷卓三, 中鉢龍徳, 石垣賀子, 坂口栄樹, 村上知之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例1は, 70歳代男性. 2病巣の早期胃癌に対してESDを行い, 双方とも分化型粘膜癌の局所完全切除であった. その後, 2年間は生検で腫瘍陰性であったが, 3年2ヵ月目に胃前庭部大わんのESD部に約2cmほどの発赤調扁平隆起を認め, 生検にてGroupIIIであった. 癌再発と考え外科的切除を追加したが, 最終診断は腺腫であった. 症例2は, 50歳代男性. 胃角部前壁の境界不明瞭な早期胃癌病巣にESDを行い, 分化型粘膜内癌ながら, 一方の側方断端が癌陽性であった. このため, 局所治療の追加を念頭に経過観察を行っていたが, その後2年間は生検にて癌陰性であった. しかし, 治療3年目の生検でGroupV(tub1)であったため, 外科的局所切除を追加した. 通常, 早期胃癌の内視鏡的切除後の局所再発は, 切除の1年後までに発見されるとされている. この度の経験より, 切除1年後以降の定期的経過観察の重要性が認識された. また, 今後, 胃上皮性腫瘍の近傍多発の実態や, 境界不明瞭な早期胃癌の範囲診断の問題点, などの解明が必要と考えられた.
ISSN:0513-1731