NO. 8 未破裂脳動脈瘤術後に前兆を伴う片頭痛発作を生じた1例

未破裂脳動脈瘤クリッピング術後に失語症・右片麻痺の前兆を伴う片頭痛発作を生じたまれな一症例を経験したので報告する. 症例は55歳女性, 右利き. 数年来前兆のない片頭痛があるも薬物療法にてコントロール可能であった. 左開頭脳動脈瘤クリッピング術を施行した5日目に突然の超皮質性運動性失語症と軽度右片麻痺を認めた. 1時間ほどで症状改善後, 左前頭側頭部に激しい頭痛を生じ6時間程継続した後消失した. 同様な発作を日に2-3回繰り返し発作4日目よりミグシス内服を開始した. 発作は徐々に認めなくなり内服4日目以降完全に消失した. 頭痛前兆時の脳血流を測定したところ左半球および左中大脳動脈領域において右...

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Veröffentlicht in:山口医学 2008, Vol.57 (2/3), p.63-64
Hauptverfasser: 吉野弘子, 米田浩, 藤澤博亮, 加藤祥一, 藤井正美, 梶原浩司, 野村貞宏, 石原秀行, 上杉政司, 末廣栄一, 吉川功一, 出口誠, 白尾敏之, 井本浩哉, 鈴木倫保
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:未破裂脳動脈瘤クリッピング術後に失語症・右片麻痺の前兆を伴う片頭痛発作を生じたまれな一症例を経験したので報告する. 症例は55歳女性, 右利き. 数年来前兆のない片頭痛があるも薬物療法にてコントロール可能であった. 左開頭脳動脈瘤クリッピング術を施行した5日目に突然の超皮質性運動性失語症と軽度右片麻痺を認めた. 1時間ほどで症状改善後, 左前頭側頭部に激しい頭痛を生じ6時間程継続した後消失した. 同様な発作を日に2-3回繰り返し発作4日目よりミグシス内服を開始した. 発作は徐々に認めなくなり内服4日目以降完全に消失した. 頭痛前兆時の脳血流を測定したところ左半球および左中大脳動脈領域において右側に比べ低下しており, 脳波は左前頭頂部で徐波化していた. 本症例は術後一時的に前兆を伴う片頭痛発作を生じており, 開頭による手術侵襲または血管攣縮により片頭痛の程度やタイプが変化することに留意する必要があると考えられた.
ISSN:0513-1731