3. 皮膚浸潤をきたした乳腺腺様嚢胞癌の1切除例

【緒言】腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma, 以下ACC)は唾液腺や気管支に好発する腫瘍として知られ, 乳腺原発は非常に稀である. その頻度は全乳癌の0.1%以下といわれ特殊型に分類されている. 今回我々は, 4年にわたる病悩期間を有し皮膚浸潤をきたしたACCの1切除例を経験したので報告する. 【症例】58歳, 女性. 4年前より左乳房に腫瘤を自覚していたが放置, 最近増大傾向を認めたため平成18年6月当科外来を受診した. 左乳房C領域に圧痛を伴う7×5cmの腫瘤を触知, 腫瘍直上の皮膚には発赤と腫瘍の固定を認めた. マンモグラフィーでは左C領域に5.5×5.0cmの...

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Veröffentlicht in:山口医学 2008-02, Vol.57 (1), p.23-24
Hauptverfasser: 折田雅彦, 菅淳, 平田健, 竹中博昭, 守田信義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma, 以下ACC)は唾液腺や気管支に好発する腫瘍として知られ, 乳腺原発は非常に稀である. その頻度は全乳癌の0.1%以下といわれ特殊型に分類されている. 今回我々は, 4年にわたる病悩期間を有し皮膚浸潤をきたしたACCの1切除例を経験したので報告する. 【症例】58歳, 女性. 4年前より左乳房に腫瘤を自覚していたが放置, 最近増大傾向を認めたため平成18年6月当科外来を受診した. 左乳房C領域に圧痛を伴う7×5cmの腫瘤を触知, 腫瘍直上の皮膚には発赤と腫瘍の固定を認めた. マンモグラフィーでは左C領域に5.5×5.0cmの分葉状で一部境界不鮮明な高濃度腫瘤を認めカテゴリー4と診断. 引続きCore Needle Biopsyを行いACCが強く疑われた. CT, MRI, 骨シンチグラフィーでは遠隔転移は認められなかった. 皮膚への浸潤が疑われ腫瘍径も大きかったため胸筋温存乳房切除術を施行し, level I郭清のみ行なった. 永久標本ではACC, 4.5×4.5×6.5cm, fおよびs, ly0, v0, grade2, ER(-), PgR(-), HER2(score0), リンパ節転移なくT3N0M0 stage IIIbとなったが, 組織型の診断においては難渋した. 術後補助化学療法は行なっておらず, 外来経過観察中である.
ISSN:0513-1731