2. バーチャルスライドを用いた臨床・病理カンファレンスの実施に関して

【はじめに】顕微鏡による病理画像観察は癌の診断にかかせないものであるが, この画像観察を顕微鏡を用いずパソコン上で実施するバーチャルスライドという技術がある. パソコンにおける機能の向上とコストダウンがそれを支えている. また, インターネット通信環境も近年格段に向上した. そのことにより, 従来, 実際上不可能であった大容量のスムーズな画像送受信がパソコンで可能となった. 今回, 高解像度画像および双方向で主導権をとりうる画像同期システムを用いて, 臨床病理カンファレンスを実施したので報告する. 【方法】食道および胃において内視鏡的に切除された標本のスライドガラス標本をバーチャルスライドシス...

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Veröffentlicht in:山口医学 2007-08, Vol.56 (4), p.139-139
Hauptverfasser: 小賀厚徳, 近藤智子, 河内茂人, 山本達人, 亀井滝士, 都志見久令男, 佐々木功典
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】顕微鏡による病理画像観察は癌の診断にかかせないものであるが, この画像観察を顕微鏡を用いずパソコン上で実施するバーチャルスライドという技術がある. パソコンにおける機能の向上とコストダウンがそれを支えている. また, インターネット通信環境も近年格段に向上した. そのことにより, 従来, 実際上不可能であった大容量のスムーズな画像送受信がパソコンで可能となった. 今回, 高解像度画像および双方向で主導権をとりうる画像同期システムを用いて, 臨床病理カンファレンスを実施したので報告する. 【方法】食道および胃において内視鏡的に切除された標本のスライドガラス標本をバーチャルスライドシステムで×200倍以上での観察に支障ない高解像度画像とし, 大学に設置したサーバーに, 大学(宇部市)のパソコンおよび都志見病院(萩市)のパソコンからアクセスした. 音声と参加者の顔画像の送受信はNetMeeting(MS)を用いた. バーチャルスライドとNetMeetingは1つのモニター内で実行した. 大学側はさらに大型モニターに映し, また都志見病院はさらに画像をプロジェクターでスクリーンに投影し多数の参加者で供覧した. 音声はマイクやスピーカーを通し多数の参加者に届くようにした. 【結果】高解像度画像を用いて, 病理組織の説明を双方のモニター上に同一の像が写るような同期機能, その同期をはずす機能, 同期画像の元絵を操作する主体を大学側と都志見病院側でチェンジする, 視野移動, 拡大・縮小, 描画などが支障なく実行でき, 臨床・病理側ともに満足度の高い会議が実行できた. 【考察】有意義な臨床・病理カンファレンスが遠隔地間で実行できた. 今後, ・このような試みは多数なされるであろう. さらに, 迅速な診断, コンサルテーション, 教育など様々な分野でバーチャルスライドは活躍すると思われる.
ISSN:0513-1731