S状結腸軸捻転症に対し非観血的治療が奏功した一例
症例は83歳男性.以前から便秘があり,5日間排便が無いため下剤を服用したところ左下腹部痛が出現し,2001年8月に当院を受診した.来院時,左下腹部に圧痛を認めたが,腹膜刺激症状はなかった.腹部単純X線写真で拡張した結腸ガス像を認め,注腸透視でS状結腸部にbird's beak signを認め,軸捻転症を疑い大腸内視鏡検査を施行した.S状結腸の捻れ狭窄を認め,その口側腸管に発赤・浮腫・縦走潰瘍等の粘膜の虚血性変化を認めた.軸捻転の解除を試みるも奏功せず,減圧目的に経肛門および経鼻イレウス管を留置した.発熱及び腹部症状は速やかに消失し,第7病日に大腸内視鏡検査施行したところ,軸捻転は解除...
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Veröffentlicht in: | 山口医学 2007, Vol.56(2), pp.37-41 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は83歳男性.以前から便秘があり,5日間排便が無いため下剤を服用したところ左下腹部痛が出現し,2001年8月に当院を受診した.来院時,左下腹部に圧痛を認めたが,腹膜刺激症状はなかった.腹部単純X線写真で拡張した結腸ガス像を認め,注腸透視でS状結腸部にbird's beak signを認め,軸捻転症を疑い大腸内視鏡検査を施行した.S状結腸の捻れ狭窄を認め,その口側腸管に発赤・浮腫・縦走潰瘍等の粘膜の虚血性変化を認めた.軸捻転の解除を試みるも奏功せず,減圧目的に経肛門および経鼻イレウス管を留置した.発熱及び腹部症状は速やかに消失し,第7病日に大腸内視鏡検査施行したところ,軸捻転は解除されており,虚血性変化も改善傾向を認めた.第11病日に経鼻イレウス管を抜去した.その後症状の変化はなく第17病日に経肛門的イレウス管を抜去し,10日後に退院した.現在,無症状経過中である. |
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ISSN: | 0513-1731 1880-4462 |
DOI: | 10.2342/ymj.56.37 |