C-9 高度な肥満を有する特発性成人成長ホルモン分泌不全症の1例
38歳女性. 周産期異常の既往歴無し. 10歳時, 一時身長の伸びが止まったが, 成長ホルモン(GH)は正常であった. 13歳時, 甲状腺機能低下症の診断でT4の投与が開始され, 身長は15歳まで伸びた. 33歳頃から, 全身倦怠感, 易疲労感が増強してきた. 下垂体機能検査でGHの基礎値が0.06ng/ml以下と低下していたため, 精査のため当科入院となった. 身長154cm(SDスコア:-0.8), 体重103.5kg, BMI45.7kg/m2, 除脂肪体重51kg, 体脂肪量57.7kg, 血清コレステロール288mg/dl, 中性脂肪206mg/dl, 血清IGF-1 85ng/ml...
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Veröffentlicht in: | 山口医学 2006-12, Vol.55 (6), p.207-207 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 38歳女性. 周産期異常の既往歴無し. 10歳時, 一時身長の伸びが止まったが, 成長ホルモン(GH)は正常であった. 13歳時, 甲状腺機能低下症の診断でT4の投与が開始され, 身長は15歳まで伸びた. 33歳頃から, 全身倦怠感, 易疲労感が増強してきた. 下垂体機能検査でGHの基礎値が0.06ng/ml以下と低下していたため, 精査のため当科入院となった. 身長154cm(SDスコア:-0.8), 体重103.5kg, BMI45.7kg/m2, 除脂肪体重51kg, 体脂肪量57.7kg, 血清コレステロール288mg/dl, 中性脂肪206mg/dl, 血清IGF-1 85ng/ml. インスリン低血糖試験, アルギニン負荷試験, GHRP-2負荷試験において, GH頂値はそれぞれ0.24ng/ml, 1.28ng/ml, 286ng/mlといずれも重症成人成長ホルモン分泌不全症(GHD)の診断基準を満たしていた. 甲状腺自己抗体陽性. TRH, CRH, LH-RH同時負荷試験ではTSHとFSHが低値であった. 頭部MRIでは下垂体に異常なく, 特発性成人GHDと診断した. 脂質代謝及びQOLの改善を目的として, GH補充療法を開始した. 成人期発症型GHDの原因は腫瘍がほとんどであるが, 本症例は特発性であった. 高度な肥満を伴った症例も希であり, GH補充がどこまで除脂肪に効果があるか経過観察中である. |
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ISSN: | 0513-1731 |