3.集中治療室における人工呼吸器関連肺炎対策と検出菌の変化

【はじめに】細菌フィルター付き人工鼻や閉鎖式吸引システムの使用が, 国立大学病院集中治療部協議会のICU感染防止ガイドラインで推奨されている. 当院ICUでは, H.15年7月に気管吸引を閉鎖式システムに変更し, 10月に細菌フィルター付き人工鼻を導入し加温加湿器を原則廃止した. これらの導入前後の, ICUにおける呼吸器検出菌の変化を検討した. 【対象, 方法】変更前(H.14年7月~H.15年6月)と変更後(H.15年11月~H.16年10月)で, 喀痰培養で提出された検体を対象に, 検出菌の割合を検討した. 検出菌の割合=各菌の検出された検体数/ICU入室患者数とした. 【結果】変更によ...

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Veröffentlicht in:山口医学 2006-06, Vol.55 (2/3), p.118-118
Hauptverfasser: 若松弘也, 松本聡, 金子秀一, 國廣充, 坂部武史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】細菌フィルター付き人工鼻や閉鎖式吸引システムの使用が, 国立大学病院集中治療部協議会のICU感染防止ガイドラインで推奨されている. 当院ICUでは, H.15年7月に気管吸引を閉鎖式システムに変更し, 10月に細菌フィルター付き人工鼻を導入し加温加湿器を原則廃止した. これらの導入前後の, ICUにおける呼吸器検出菌の変化を検討した. 【対象, 方法】変更前(H.14年7月~H.15年6月)と変更後(H.15年11月~H.16年10月)で, 喀痰培養で提出された検体を対象に, 検出菌の割合を検討した. 検出菌の割合=各菌の検出された検体数/ICU入室患者数とした. 【結果】変更により, P. aeruginosaの割合は, 5.8%から3.1%に有意に低下した. C. albicansの割合は, 2.7%から4.9%に上昇したが, これはH.16年11月のアウトブレイクによるものであり, この月を除くと, 変更前後で有意差はなかった. 【まとめ】湿潤した場所に多く生息するP. aeruginosaの低下は, 人工鼻導入, 加温加湿器廃止により, 培地となる回路内の結露がなくなったことが関与したと考えられる. 人工呼吸関連肺炎には多くの感染対策が必要である. その一つとして, 細菌フィルターや閉鎖式吸引システムは有用だと考えられる.
ISSN:0513-1731