4. 脂肪塞栓症候群に対して集学的治療で良好な経過をたどった一例

【症例】24歳男性. 交通外傷による右大腿骨骨幹部骨折のため, 当院整形外科へ入院となった. 第3病日にSpO2が60~70%(酸素マスク10L/分)と低下し, 意識障害(JCS3)をきたした. 心エコー検査, 造影CT検査, 肺動脈造影や, 点状出血等の臨床症状より脂肪塞栓症と診断した. 気管挿管し集中治療室で全身管理を行った. 脂肪塞栓症候群では各種メディエーターにより化学性肺炎を起こすといわれており, 発症早期よりウリナスタチン, シベレスタットの投与を開始した. 第8病日に観血的骨接合術を行い, 第9病日に抜管し, 第12病日に集中治療室退室となった. 【まとめ】脂肪塞栓症候群は, 予...

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Veröffentlicht in:山口医学 2005-08, Vol.54 (4), p.128-128
Hauptverfasser: 松田憲昌, 徳久善弘, 松本聡, 若松弘也, 國廣充, 坂部武史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】24歳男性. 交通外傷による右大腿骨骨幹部骨折のため, 当院整形外科へ入院となった. 第3病日にSpO2が60~70%(酸素マスク10L/分)と低下し, 意識障害(JCS3)をきたした. 心エコー検査, 造影CT検査, 肺動脈造影や, 点状出血等の臨床症状より脂肪塞栓症と診断した. 気管挿管し集中治療室で全身管理を行った. 脂肪塞栓症候群では各種メディエーターにより化学性肺炎を起こすといわれており, 発症早期よりウリナスタチン, シベレスタットの投与を開始した. 第8病日に観血的骨接合術を行い, 第9病日に抜管し, 第12病日に集中治療室退室となった. 【まとめ】脂肪塞栓症候群は, 予防と呼吸, 循環管理が治療の主体である. 本症例の良好な経過と早期からのウリナスタチン, シベレスタット投与との関連は不明ではあるが, 今後, 脂肪塞栓症候群に対するこれら薬剤の効用の解明が期待される.
ISSN:0513-1731