No.6 IL-6刺激によるCD45分子の脂質ラフトへの移行

CD45分子は骨髄腫細胞のIL-6応答性増殖を調節していると考えられる. 骨髄腫細胞を用いてIL-6シグナル伝達におけるCD45分子の挙動を検討した. IL6応答性細胞株U266を抗CD45抗体とコレラ毒素Bで蛍光染色を行うと, IL-6存在下ではCD45が細胞膜上の脂質ラフトに局在し, IL-6除去により脂質ラフト外の細胞膜にシグナルが認められた. また, U266をTriton X-100で可溶化しショ糖密度勾配遠心を用いて脂質ラフト画分と非ラフト画分を分離したのちウェスタン解析を行うと, CD45分子はIL-6のない状態では非ラフト画分に存在するが, IL-6存在下ではラフト画分に検出さ...

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Veröffentlicht in:山口医学 2004-06, Vol.53 (3), p.187-187
Hauptverfasser: 李富君, 津山尚宏, 石川秀明, 小幡雅則, Saeid Abroun, 劉尚勤, 大津山賢一郎, 鄭旭, 馬梓, 槇泰子, 河野道生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:CD45分子は骨髄腫細胞のIL-6応答性増殖を調節していると考えられる. 骨髄腫細胞を用いてIL-6シグナル伝達におけるCD45分子の挙動を検討した. IL6応答性細胞株U266を抗CD45抗体とコレラ毒素Bで蛍光染色を行うと, IL-6存在下ではCD45が細胞膜上の脂質ラフトに局在し, IL-6除去により脂質ラフト外の細胞膜にシグナルが認められた. また, U266をTriton X-100で可溶化しショ糖密度勾配遠心を用いて脂質ラフト画分と非ラフト画分を分離したのちウェスタン解析を行うと, CD45分子はIL-6のない状態では非ラフト画分に存在するが, IL-6存在下ではラフト画分に検出された. IL-6R alphaやgp130, lynはIL-6の有無にかかわらずラフト画分に検出された. またIL-6応答性の増殖を示さないB細胞株では, IL-6刺激を行ってもCD45分子のラフトヘの移行は観察されなかった. 以上の結果から, CD45分子はIL-6刺激の結果脂質ラフト画分へ移行することにより増殖シグナルを調節している可能性が考えられた.
ISSN:0513-1731