自己転倒により救急搬送された高齢患者に関する検討

救急搬送において高齢者がその多くを占め,うち自己転倒の患者は多く,救急搬送数増加の一因となっている。今回高齢自己転倒患者に関して,患者背景,予後などを検討した。 対象は2022年1月1日〜6月30日の期間に当院に救急搬送された高齢自己転倒患者とし,65歳以上を高齢者,明らかな外力のない転倒を自己転倒とした。カルテ調査を行い,後方視的に検討した。対象は370例,年齢中央値80.0(74-86),男性158例で,骨折を伴わない止血処置を要する出血24例(6.5%),骨折141例(38.1%)に認めた。入院106例(28.6%)でうち37例(10.0%)は入院21日時点においても入院が必要であったが...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2023/10/31, Vol.26(5), pp.601-606
Hauptverfasser: 升井, 淳, 橋本, 純子, 朴, 將輝, 柳, 英雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:救急搬送において高齢者がその多くを占め,うち自己転倒の患者は多く,救急搬送数増加の一因となっている。今回高齢自己転倒患者に関して,患者背景,予後などを検討した。 対象は2022年1月1日〜6月30日の期間に当院に救急搬送された高齢自己転倒患者とし,65歳以上を高齢者,明らかな外力のない転倒を自己転倒とした。カルテ調査を行い,後方視的に検討した。対象は370例,年齢中央値80.0(74-86),男性158例で,骨折を伴わない止血処置を要する出血24例(6.5%),骨折141例(38.1%)に認めた。入院106例(28.6%)でうち37例(10.0%)は入院21日時点においても入院が必要であったが,死亡例はなかった。入院群では外来帰宅群と比較し,多剤内服(5剤以上)(62.3% vs 21.7%,p=0.029)である割合が有意に高かった。年齢や性別,飲酒などは入院に寄与しなかった。自己転倒により高齢者においては約3 割が入院しており,内服薬調整を含めた転倒予防が重要と考える。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.26.601