救急活動時の感染防止衣の汚染状況に関する実態調査と接触感染防止策の検討

背景:米国食品医薬品局はサージカルガウンの汚染しやすい箇所をクリティカルゾーンとして示し,わが国の医療機関でもこれに基づいたガウンを着用し感染対策が行われているが,救急活動では感染防止衣の汚染箇所や交換状況については明らかではない。目的:救急活動時の感染防止衣の汚染状況の現状を把握し対策について検討すること。対象・方法:3政令指定都市救急隊の30日間の汚染状況などを実態調査した。結果:総出動件数は22,171件で1,574回の感染防止衣交換があり,汚染による交換は124回であった。汚染は両前腕部がもっとも多く,背部の汚染は認められなかった。考察:救急活動では両前腕部が直接傷病者に密着するが,背...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2022/08/31, Vol.25(4), pp.644-650
Hauptverfasser: 佐々木, 広一, 山本, 弘二, 吉川, 孝次, 友安, 陽子, 坂口, 英児, 安田, 康晴
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:米国食品医薬品局はサージカルガウンの汚染しやすい箇所をクリティカルゾーンとして示し,わが国の医療機関でもこれに基づいたガウンを着用し感染対策が行われているが,救急活動では感染防止衣の汚染箇所や交換状況については明らかではない。目的:救急活動時の感染防止衣の汚染状況の現状を把握し対策について検討すること。対象・方法:3政令指定都市救急隊の30日間の汚染状況などを実態調査した。結果:総出動件数は22,171件で1,574回の感染防止衣交換があり,汚染による交換は124回であった。汚染は両前腕部がもっとも多く,背部の汚染は認められなかった。考察:救急活動では両前腕部が直接傷病者に密着するが,背面は傷病者と接触する機会も少なく汚染しにくい。汚染した感染防止衣での活動の継続は感染リスクが高まるため,アームカバーやエプロンの着用で防御性向上と交換が容易となり直接接触感染と間接接触感染のリスクを軽減できる。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.25.644