症候性てんかんの加療中に発症した横紋筋融解症の1例: プロポフォール注入症候群を再考する

既往歴のない38歳男性が痙攣を主訴に救急搬送され,症候性てんかんの診断で前医へ入院となった。第2病日,悪性症候群疑いで当院へ紹介となった。来院時,痙攣発作および筋強剛は認めず,38℃の発熱と炎症反応上昇(WBC 21,300/μL,CRP 32.5mg/dL),高CK血症(50,985U/L),ミオグロビン尿を認めた。身体所見,全身CT検査,髄液検査で感染症を示唆する所見は認めなかった。前医でプロポフォールが200mg/時間で40時間以上持続静注されていたため,プロポフォール注入症候群を疑った。プロポフォールを中止したところ,すべての臨床症状および検査所見の改善を認めた。なお,本症例では診断基...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2021/02/28, Vol.24(1), pp.61-64
Hauptverfasser: 友田, 昌徳, 柳瀬, 豪, 前谷, 和秀, 松永, 俊太郎, 龍神, 香好, 西田, 崇通, 則尾, 弘文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:既往歴のない38歳男性が痙攣を主訴に救急搬送され,症候性てんかんの診断で前医へ入院となった。第2病日,悪性症候群疑いで当院へ紹介となった。来院時,痙攣発作および筋強剛は認めず,38℃の発熱と炎症反応上昇(WBC 21,300/μL,CRP 32.5mg/dL),高CK血症(50,985U/L),ミオグロビン尿を認めた。身体所見,全身CT検査,髄液検査で感染症を示唆する所見は認めなかった。前医でプロポフォールが200mg/時間で40時間以上持続静注されていたため,プロポフォール注入症候群を疑った。プロポフォールを中止したところ,すべての臨床症状および検査所見の改善を認めた。なお,本症例では診断基準の1つとして知られている代謝性アシドーシスは認めなかった。集中治療領域以外でもプロポフォールが使用される機会があり,われわれ救急医・集中治療医がその合併症について広く啓発していく必要がある。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.24.61