大学生の救急車の利用実態および急病に対する認識・行動に関する調査

救急車利用件数は年々増加傾向にあり,救急車利用の適正化を図ることが喫緊の課題とされている。総務省消防庁の調査では,救急出動件数全体の約50%は軽症者と報告されている。本研究では,大学生の救急車利用実態をA病院の救急外来診療記録(2年間分)を活用して分析した。受診理由は交通外傷,スポーツ外傷,物理的外傷が約45%を占めていた。救急外来受診時のJTASレベルは「低緊急」と「非緊急」が約50%であり,入院事例は約10%であった。分析の結果,大学生の救急搬送の50%は救急要請「不要」と判断された。さらに,B大学の94名の大学生(非医療系4年次生)を対象に自記式質問紙調査により急病時の受診に関する認識・...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2021/02/28, Vol.24(1), pp.51-60
1. Verfasser: 泥谷, 朋子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:救急車利用件数は年々増加傾向にあり,救急車利用の適正化を図ることが喫緊の課題とされている。総務省消防庁の調査では,救急出動件数全体の約50%は軽症者と報告されている。本研究では,大学生の救急車利用実態をA病院の救急外来診療記録(2年間分)を活用して分析した。受診理由は交通外傷,スポーツ外傷,物理的外傷が約45%を占めていた。救急外来受診時のJTASレベルは「低緊急」と「非緊急」が約50%であり,入院事例は約10%であった。分析の結果,大学生の救急搬送の50%は救急要請「不要」と判断された。さらに,B大学の94名の大学生(非医療系4年次生)を対象に自記式質問紙調査により急病時の受診に関する認識・行動について調査を行った。76.6%の大学生が38.5℃以上の発熱を重症と受け止め,急な症状が出現した場合「受診を考える」と回答した大学生が62.8%であった。自身の急性の身体症状や急病時の対応に関する大学生の知識は不十分であることが明らかとなった。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.24.51