院外心肺停止事案で救急救命士が実施する静脈路確保のタイミング

目的:救急救命士(救命士)が院外心肺停止者(CPA)に静脈路確保を実施するタイミングの適正を検討する。方法:救急救命士が現場到着時にCPAを確認し,病院到着までに静脈路確保を実施した事案を対象とした。搬送記録票から搬送時間,静脈路確保を実施したタイミング,成功率を抽出し,現場出発(現発)前群と後群で比較した。2014〜2017年(前期)の結果を地域MC 協議会で開示し,2018〜2019年(後期)の推移を調査した。結果:前期は現発前群が後群に比べ傷病者接触から静脈路確保実施までが5.2分短く,病院搬入前輸液時間が3.6分長かった。成功率は現発前群が68%,後群が49%であった。前期から後期にか...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2020/10/31, Vol.23(5), pp.707-710
Hauptverfasser: 岩下, 具美, 深澤, 寛明, 小川原, 葵, 一本木, 邦治, 岡田, まゆみ, 栁谷, 信之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:救急救命士(救命士)が院外心肺停止者(CPA)に静脈路確保を実施するタイミングの適正を検討する。方法:救急救命士が現場到着時にCPAを確認し,病院到着までに静脈路確保を実施した事案を対象とした。搬送記録票から搬送時間,静脈路確保を実施したタイミング,成功率を抽出し,現場出発(現発)前群と後群で比較した。2014〜2017年(前期)の結果を地域MC 協議会で開示し,2018〜2019年(後期)の推移を調査した。結果:前期は現発前群が後群に比べ傷病者接触から静脈路確保実施までが5.2分短く,病院搬入前輸液時間が3.6分長かった。成功率は現発前群が68%,後群が49%であった。前期から後期にかけて静脈路確保実施率は34→63%,成功率は54→72%,現発前群の比率は24→48%に各々増加した。結語:結果開示により現発前の静脈路確保実施を増加させた。現状のデータを比較し,救急隊と検証医に開示する本法は検証方法として有用と考える。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.23.707