一般用医薬品による中毒患者の現状とその対策

目的:一般用医薬品による急性薬物中毒の現状と地域の薬剤師や薬局の問題点を検討する。方法:過去8年間に一般用医薬品を過量服薬した86例を対象に,年齢・性別,製剤の種類,患者数の推移,致死量摂取例の成分について検討した。また,販売者である地域の薬剤師50 名にアンケート調査を行い,薬剤師や薬局の問題点について調査した。結果:患者数の割合は年々増加傾向であり,総合感冒薬の摂取が29%ともっとも多く,致死量に達した成分別ではカフェインが46%であった。アンケート調査では「流行している中毒やその対応方法などの情報を入手する機会がない」と回答した薬剤師は78%であった。結論:一般用医薬品による薬物中毒患者...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2020/10/31, Vol.23(5), pp.702-706
Hauptverfasser: 廣瀬, 正幸, 平川, 昭彦, 中野, 裕子, 田島, 康介, 山田, 成樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:一般用医薬品による急性薬物中毒の現状と地域の薬剤師や薬局の問題点を検討する。方法:過去8年間に一般用医薬品を過量服薬した86例を対象に,年齢・性別,製剤の種類,患者数の推移,致死量摂取例の成分について検討した。また,販売者である地域の薬剤師50 名にアンケート調査を行い,薬剤師や薬局の問題点について調査した。結果:患者数の割合は年々増加傾向であり,総合感冒薬の摂取が29%ともっとも多く,致死量に達した成分別ではカフェインが46%であった。アンケート調査では「流行している中毒やその対応方法などの情報を入手する機会がない」と回答した薬剤師は78%であった。結論:一般用医薬品による薬物中毒患者は増加傾向であり,さまざまな対策が必要である。救急常駐薬剤師と地域の薬剤師との連携は,過量服薬の防止につながると考えられ,中毒患者への対応・対策が病院の救急領域だけでなく,地域社会にも広がることを期待したい。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.23.702