急性期病院における自殺未遂者情報の把握に関する実態と地域連携プログラムの改善点の評価

目的:自殺未遂者の再企図予防の実行性を確認する観点から,地域連携プログラムを分析し,改善点を明らかにする。方法:混合研究法を用い,A病院における未遂者情報を転帰別に量的分析し,A病院とB病院の支援内容を質的分析する。結果:未遂者情報について,休日・時間外の外来対応では十分に情報収集されていなかった。地域連携プログラムについて,未遂者は人間関係・健康面・生活面の複数のカテゴリーで問題を抱え,病院間連携により支援が継続されていたが,支援の知識・技術の非均一性,伝達形式の不明確さが指摘された。考察:多職種による未遂者情報の把握や病院間連携に加え,福祉事務所・学校・保険者との連携,支援内容のモニタリン...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2019/10/31, Vol.22(5), pp.680-688
Hauptverfasser: 篠原, 純史, 若林, チヒロ, 梅崎, 薫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:自殺未遂者の再企図予防の実行性を確認する観点から,地域連携プログラムを分析し,改善点を明らかにする。方法:混合研究法を用い,A病院における未遂者情報を転帰別に量的分析し,A病院とB病院の支援内容を質的分析する。結果:未遂者情報について,休日・時間外の外来対応では十分に情報収集されていなかった。地域連携プログラムについて,未遂者は人間関係・健康面・生活面の複数のカテゴリーで問題を抱え,病院間連携により支援が継続されていたが,支援の知識・技術の非均一性,伝達形式の不明確さが指摘された。考察:多職種による未遂者情報の把握や病院間連携に加え,福祉事務所・学校・保険者との連携,支援内容のモニタリングと連携上の問題がフィードバックされる体制が必要と考えられた。結論:従来の地域連携プログラムに,伝達形式の標準化,多機関が参加する研修会・会議・カンファレンスの開催を追加し,体系的な評価が必要である。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.22.680