構音障害を主訴に来院したカペシタビン関連白質脳症の1例
症例は53歳女性で,乳癌がありカペシタビンの投与が開始された。服用開始4日目に口のもつれを自覚し,8日目に構音障害を主訴に当院へ救急搬送された。来院時Japan Coma Scale 0,構音障害を認めた。頭部CTでは器質的な病変は認められず,頭部MRIを行ったところ,脳梁および放線冠(深部白質)が拡散強調画像において高信号を認めた。病歴および画像所見からカペシタビンによる白質脳症と診断した。カペシタビン休薬2日目に構音障害は改善した。それに伴い,頭部MRIの所見も改善した。構音障害を主訴とする救急搬送症例を経験することは多い。脳血管障害や代謝性疾患など鑑別疾患は多岐に及ぶが,鑑別には身体診察...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床救急医学会雑誌 2018/02/28, Vol.21(1), pp.33-36 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は53歳女性で,乳癌がありカペシタビンの投与が開始された。服用開始4日目に口のもつれを自覚し,8日目に構音障害を主訴に当院へ救急搬送された。来院時Japan Coma Scale 0,構音障害を認めた。頭部CTでは器質的な病変は認められず,頭部MRIを行ったところ,脳梁および放線冠(深部白質)が拡散強調画像において高信号を認めた。病歴および画像所見からカペシタビンによる白質脳症と診断した。カペシタビン休薬2日目に構音障害は改善した。それに伴い,頭部MRIの所見も改善した。構音障害を主訴とする救急搬送症例を経験することは多い。脳血管障害や代謝性疾患など鑑別疾患は多岐に及ぶが,鑑別には身体診察や血液検査などとともに頭部CTやMRIなどの画像診断学的アプローチは不可欠である。薬剤性脳症は頭部MRIにおいて特徴的な画像所見を呈することが知られており,鑑別に重要である。 |
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ISSN: | 1345-0581 2187-9001 |
DOI: | 10.11240/jsem.21.33 |