Oncologic emergency:前縦隔悪性リンパ腫による気管閉塞で突然死した3歳男児の1例

小児の縦隔腫瘍はまれな疾患で半数以上は無症状で進行する。今回,痙攣後に心肺停止となった小児縦隔腫瘍死亡例を経験した。症例は3歳5カ月男児,既往に熱性痙攣あり。約2カ月前から朝方に咳をするようになり,1週間前ぐったりして口で呼吸していると幼稚園を早退,自宅では時々喘鳴があったが元気に過ごしていた。6時間前には公園で元気に遊び,2時間前に夕食を摂取し就寝した後,突然泣き出し,四肢強直性痙攣を生じ救急要請され,救急隊到着直後に心肺停止となった。来院時心静止で,胸部X 線では縦隔を中心とした巨大腫瘤を認め,自己心拍再開せず死亡した。死後CTと解剖の結果,T細胞リンパ芽球性リンパ腫による気管圧排による窒...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2016/10/31, Vol.19(5), pp.686-690
Hauptverfasser: 山上, 浩, 大淵, 尚
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児の縦隔腫瘍はまれな疾患で半数以上は無症状で進行する。今回,痙攣後に心肺停止となった小児縦隔腫瘍死亡例を経験した。症例は3歳5カ月男児,既往に熱性痙攣あり。約2カ月前から朝方に咳をするようになり,1週間前ぐったりして口で呼吸していると幼稚園を早退,自宅では時々喘鳴があったが元気に過ごしていた。6時間前には公園で元気に遊び,2時間前に夕食を摂取し就寝した後,突然泣き出し,四肢強直性痙攣を生じ救急要請され,救急隊到着直後に心肺停止となった。来院時心静止で,胸部X 線では縦隔を中心とした巨大腫瘤を認め,自己心拍再開せず死亡した。死後CTと解剖の結果,T細胞リンパ芽球性リンパ腫による気管圧排による窒息と診断した。縦隔腫瘍は症状に乏しく進行し,oncologic emergencyとして急速に致死的経過をたどり得る。経過の長い咳や,咳以外に咽頭痛・鼻汁などの典型的上気道炎症状を伴わない場合は,縦隔腫瘍を鑑別に挙げ,胸部X線撮影を積極的に考慮すべきである。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.19.686