精神科病院入院中に身体合併症で救命救急センターに救急搬送された患者の特徴

精神科病床のない救命救急センターである当院において,精神科病院から紹介・救急搬送された身体合併症患者の診療改善点を見つける目的で,当院の現状と傾向を調査・検討した。2007年6月1日〜2012年5月31日の5年間における,近隣10施設の精神科病院から救急搬送され入院となった患者全303症例に対して診療録から後ろ向きに観察し,精神科基礎疾患,診断名,疾患分類,転帰,在院日数について調査・検討した。結果,統合失調症患者の身体合併症には肺炎,骨盤・下肢骨折,イレウス,低Na血症の頻度が高い特徴があり,また精神科疾患を基礎に持ち身体疾患を合併した患者の入院加療は,病棟運用に影響を及ぼすことがわかった。...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2014/10/31, Vol.17(5), pp.675-679
Hauptverfasser: 金原, 佑樹, 山田, 秀則, 北川, 喜己, 市川, 敦子, 長瀬, 亜岐, 筧, 裕香子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:精神科病床のない救命救急センターである当院において,精神科病院から紹介・救急搬送された身体合併症患者の診療改善点を見つける目的で,当院の現状と傾向を調査・検討した。2007年6月1日〜2012年5月31日の5年間における,近隣10施設の精神科病院から救急搬送され入院となった患者全303症例に対して診療録から後ろ向きに観察し,精神科基礎疾患,診断名,疾患分類,転帰,在院日数について調査・検討した。結果,統合失調症患者の身体合併症には肺炎,骨盤・下肢骨折,イレウス,低Na血症の頻度が高い特徴があり,また精神科疾患を基礎に持ち身体疾患を合併した患者の入院加療は,病棟運用に影響を及ぼすことがわかった。身体合併症の重症化を未然に防ぐ取り組みと,精神科病院との連携によるスムーズな診療,精神疾患に対する正しい知識と的確な看護における負担感の把握が,今後の病棟運用改善の重要課題である。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.17.675