血液ガス分析における検体撹拌の妥当性について: CLSIガイドラインに基づいて

はじめに:血液ガス分析の検体撹拌はClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)ガイドラインで標準法が提唱されているが徹底されておらず,またわれわれは同一患者検体において撹拌の違いによる総ヘモグロビン(tHb)値の乖離例を経験した。目的:CLSI標準法に基づいた血液ガス検体撹拌時間の妥当性を明らかにする。対象・方法:当院職員(15名)の健常人検体を対象とし,各健常人検体の血漿を用いてtHb値を6.0 g/dlおよび15.0 g/dlに調整したものを使用した。そして,それらをシリンジに採取し,5分・10分・30分間水平放置したサンプルを30秒〜...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2014/08/31, Vol.17(4), pp.509-514
Hauptverfasser: 影山, 憲貴, 柴田, 泰史, 飯野, 幸永, 本間, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:血液ガス分析の検体撹拌はClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)ガイドラインで標準法が提唱されているが徹底されておらず,またわれわれは同一患者検体において撹拌の違いによる総ヘモグロビン(tHb)値の乖離例を経験した。目的:CLSI標準法に基づいた血液ガス検体撹拌時間の妥当性を明らかにする。対象・方法:当院職員(15名)の健常人検体を対象とし,各健常人検体の血漿を用いてtHb値を6.0 g/dlおよび15.0 g/dlに調整したものを使用した。そして,それらをシリンジに採取し,5分・10分・30分間水平放置したサンプルを30秒〜1分の撹拌時間で各系列をn=15としてtHb値を測定した。また,各健常人検体の血漿およびヴィーン®F輸液を用いて,それぞれのtHb値を3.0 g/dlに調整したものを使用した場合についても検証した。結果:tHb値15.0 g/dlでは全系列で測定誤差が± 3 %以内となった。tHb値6.0 g/dlでは全放置時間で撹拌時間40秒以上が測定誤差± 3 %以内となった。tHb値3.0 g/dlではサンプルの放置時間が30分で撹拌時間40秒について検証したが,いずれの場合も測定誤差は± 3 %以内となった。考察:tHb値の低濃度サンプルにおいて全放置時間で撹拌時間40秒以上が許容範囲内となった。さらに,tHb値の超低濃度サンプルにおいては撹拌均一性を得るのが最も困難と思われるものについて撹拌時間40秒が許容範囲内となったことから,40秒間の撹拌で検体の撹拌均一性が得られると考えられた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.17.509