気腫性膀胱炎の1例

症例:82歳の女性。以前より頻尿の傾向があった。2011年3月,排尿障害と腹部膨満を主訴に近医受診,CTにて気腫性膀胱炎を疑われ当院に紹介された。来院時体温37.6℃,WBC 18,700/mm3,CRP 23.04 mg/dl,尿検査で細菌3+,白血球,赤血球を多数認め,肉眼的に黒色~暗赤色を呈していた。腹部造影CTでは膀胱壁内,膀胱内腔にair像,腸管のガス貯留を認め,気腫性膀胱炎に一致する所見であった。尿培養より,Streptococcus sp.ならびにClostridium perfringensが検出された。入院後,抗菌薬の投与により次第に症状軽快し,第13病日紹介医に転院した。気...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2012/02/29, Vol.15(1), pp.41-43
Hauptverfasser: 笹橋, 望, 金子, 一郎, 小畑, 馨, 別府, 賢, 中野, 良太, 濱中, 訓生, 吉田, 浩輔, 井上, 京, 増田, 憲彦, 奥野, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:82歳の女性。以前より頻尿の傾向があった。2011年3月,排尿障害と腹部膨満を主訴に近医受診,CTにて気腫性膀胱炎を疑われ当院に紹介された。来院時体温37.6℃,WBC 18,700/mm3,CRP 23.04 mg/dl,尿検査で細菌3+,白血球,赤血球を多数認め,肉眼的に黒色~暗赤色を呈していた。腹部造影CTでは膀胱壁内,膀胱内腔にair像,腸管のガス貯留を認め,気腫性膀胱炎に一致する所見であった。尿培養より,Streptococcus sp.ならびにClostridium perfringensが検出された。入院後,抗菌薬の投与により次第に症状軽快し,第13病日紹介医に転院した。気腫性膀胱炎は,ガス産生菌が膀胱内に貯留するまれな疾患で,抗菌剤により軽快することが多いが,まれに敗血症などにより重症化することがあり,注意が必要である。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.15.41