鈍的腹部外傷後の遅発性小腸狭窄の1例

症例は55歳,男性。仕事中フォークリフトで腹部を挟まれて受傷し,当院に救急搬送された。腹部CT検査で腸間膜損傷を認めたがバイタルサインは安定していたため,保存的治療とした。経過良好で受傷16日目に軽快退院となったが,退院6日目に腹痛が出現したため再入院となり,腹部CT検査により癒着性イレウスと診断した。絶食にて症状はすぐに改善するも,食事を開始すると再びイレウス症状が出現することが続いた。腹部CT検査で小腸の狭窄部位を確認し経過を追ったが狭窄部位の改善はなく,イレウス症状も続くため,受傷72日目に腹腔鏡補助下に小腸切除術を行った。術後経過は良好で,術後9日目に軽快退院となった。遅発性小腸狭窄は...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2008/12/31, Vol.11(6), pp.475-479
Hauptverfasser: 富野, 敦稔, 岸本, 真房, 鈴木, 聡史, 山本, 透, 小切, 匡史, 北澤, 康秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は55歳,男性。仕事中フォークリフトで腹部を挟まれて受傷し,当院に救急搬送された。腹部CT検査で腸間膜損傷を認めたがバイタルサインは安定していたため,保存的治療とした。経過良好で受傷16日目に軽快退院となったが,退院6日目に腹痛が出現したため再入院となり,腹部CT検査により癒着性イレウスと診断した。絶食にて症状はすぐに改善するも,食事を開始すると再びイレウス症状が出現することが続いた。腹部CT検査で小腸の狭窄部位を確認し経過を追ったが狭窄部位の改善はなく,イレウス症状も続くため,受傷72日目に腹腔鏡補助下に小腸切除術を行った。術後経過は良好で,術後9日目に軽快退院となった。遅発性小腸狭窄は不可逆性であり手術の必要があるため,早期に診断し治療する必要がある。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.11.475