重症意識障害例の予後予測における電気生理学検査の有用性

近年,重症患者の蘇生,救命率は改善してきたが,その反面で蘇生後に脳死やそれに近い状態を経て亡くなる例も多く,予後を予測することは治療戦略を立てる上でもインフォームド・コンセントを行う上でも重要である。そこでわれわれは重症意識障害患者(100例)に対して電気生理学的検査(脳波,聴性脳幹反応,短潜時体性感覚誘発電位)を施行し,その結果と予後との関係を検討したので報告する。施行した各検査で全ての波形が出現していた症例の死亡率は約27%であったのに対し,1つ以上の検査で波形が消失していた症例の死亡率は1つで約62%,2つで約74%,3つで約98%であった。救命救急領域において重症意識障害患者の予後予測...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2006/08/31, Vol.9(4), pp.344-347
Hauptverfasser: 久保田, 稔, 直江, 康孝, 志賀, 尚子, 中野渡, 雄一, 久野, 将宗, 小柳, 正雄, 原, 俊輔, 山本, 修三, 加地, 正人, 二宮, 宣文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,重症患者の蘇生,救命率は改善してきたが,その反面で蘇生後に脳死やそれに近い状態を経て亡くなる例も多く,予後を予測することは治療戦略を立てる上でもインフォームド・コンセントを行う上でも重要である。そこでわれわれは重症意識障害患者(100例)に対して電気生理学的検査(脳波,聴性脳幹反応,短潜時体性感覚誘発電位)を施行し,その結果と予後との関係を検討したので報告する。施行した各検査で全ての波形が出現していた症例の死亡率は約27%であったのに対し,1つ以上の検査で波形が消失していた症例の死亡率は1つで約62%,2つで約74%,3つで約98%であった。救命救急領域において重症意識障害患者の予後予測に電気生理学的検査は有用であった。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.9.344