バソプレッシン持続投与が有効であったカテコラミン不応性敗血症ショックの1例

近年,カテコラミン不応性敗血症性ショックにおけるバソプレッシンの有効性が注目されてきている。今回われわれは,バソプレッシンが有効であった術後MRSA腸炎による敗血症性ショックの1例を経験した。症例は64歳,男性。膵全摘術後,MRSA腸炎により急速に敗血症性ショックとなりICU入室となった。大量の輸液,塩酸ドパミン,塩酸ドブタミン10µg/kg/min,ノルエピネフリン0.4µg/kg/minの投与によっても,循環動態は不安定であったが,バソプレッシン0.033 IU/minの持続投与開始直後より安定し,上記カテコラミンを減量し得た。また,腹部超音波検査にても門脈血流の低下は認めず,臨床経過は順...

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Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2005/10/31, Vol.8(5), pp.385-388
Hauptverfasser: 渡邉, 出, 中尾, 昭公, 小野寺, 睦雄, 阿部, 知伸, 有嶋, 拓郎, 福岡, 敏雄, 榊原, 陽子, 真弓, 俊彦, 高橋, 英夫, 武澤, 純
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,カテコラミン不応性敗血症性ショックにおけるバソプレッシンの有効性が注目されてきている。今回われわれは,バソプレッシンが有効であった術後MRSA腸炎による敗血症性ショックの1例を経験した。症例は64歳,男性。膵全摘術後,MRSA腸炎により急速に敗血症性ショックとなりICU入室となった。大量の輸液,塩酸ドパミン,塩酸ドブタミン10µg/kg/min,ノルエピネフリン0.4µg/kg/minの投与によっても,循環動態は不安定であったが,バソプレッシン0.033 IU/minの持続投与開始直後より安定し,上記カテコラミンを減量し得た。また,腹部超音波検査にても門脈血流の低下は認めず,臨床経過は順調で入室後10日日でICUを退室した。今回のカテコラミン不応性敗血症性ショック症例においては,パソプレッシンの有効性が示唆された。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.8.385