広域防災訓練における医療の関わり―平成14年度近畿府県合同防災訓練参加者へのアンケート調査結果より

【要旨】平成14年11月徳島県主催で近畿府県合同防災訓練が行われた. 合同防災訓練における医療の関わりを検討することを目的として, 訓練に参加した医師看護師事務職員44名(救護者群), 看護学生200名(傷病者群)にアンケート調査を行った. 災害医療への興味があるものの訓練に不満をもったと答えた者が救護者群の23.8%, 傷病者群の45.9%にあり, 多くがより充実した内容の訓練を期待していることが明らかとなった. 従来の広域防災訓練では, 医療関連の訓練が全体に占める割合が少なく, 傷病者の流れの中に医療部門が関わる訓練は限られていた. 今後多様化する災害において医療活動が求められる場面は多...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床救急医学会雑誌 2004-06, Vol.7 (3), p.274-279
Hauptverfasser: 上山裕二, 鎌村好孝, 鳥海進一, 井内貴彦, 安田理, 三村誠二, 橋本拓也, 渡部豪, 黒上和義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【要旨】平成14年11月徳島県主催で近畿府県合同防災訓練が行われた. 合同防災訓練における医療の関わりを検討することを目的として, 訓練に参加した医師看護師事務職員44名(救護者群), 看護学生200名(傷病者群)にアンケート調査を行った. 災害医療への興味があるものの訓練に不満をもったと答えた者が救護者群の23.8%, 傷病者群の45.9%にあり, 多くがより充実した内容の訓練を期待していることが明らかとなった. 従来の広域防災訓練では, 医療関連の訓練が全体に占める割合が少なく, 傷病者の流れの中に医療部門が関わる訓練は限られていた. 今後多様化する災害において医療活動が求められる場面は多い. 医療の役割を浮彫にする広域防災訓練の実施に向け, (1)救出救助の段階から医療チームを投入するシナリオでの訓練, (2)災害医療や訓練に関する事前勉強会の開催, (3)災害拠点病院など公的病院スタッフの訓練参加, などの工夫が必要である.
ISSN:1345-0581